【日経平均】FOMC「辛抱」表現で流れは変わるか390円高

2014年12月18日 20:06

 石塚硝子<5204>はストップ高の50円高で値上がり率1位。「ナルミのボーンチャイナ」で世界的に知られる鳴海製陶の発行済株式を全て取得し子会社化するという発表を好感された。ロシア関連銘柄の筆頭として6日続落したJT<2914>は通貨ルーブルの下落が一服したこと、割安感が出たことで買い戻しが入り売買代金3位、168円高で7日ぶりに反発。食料品セクターを業種別騰落率第2位に押し上げた。

 JAL<9201>、ANAHD<9202>とのダブル共同運航で連日話題のスカイマーク<9204>は前場に年初来高値を更新した後、さすがに利益確定売りが入って後場マイナスになり44円安でこの日は値下がり率のほうの1位。それでも売買高は6位だった。JALは115円高、ANAHDは7円高。

 新興市場は、日経ジャスダック平均は0.82%上昇、東証マザーズ指数は2.42%の大幅上昇だった。今週の新規IPO銘柄は明暗が大きく分かれている。16日新規上場のU-NEXT<9418>は3日連続ストップ高の1000円高でセカンダリーも人気。しかし同じ日に新規上場したメディカル・データ・ビジョン<3902>は600円安で続落。前日新規上場のフルッタフルッタ<2586>は連日のストップ安を喫して985円安だった。

 新規IPOは3件。東証マザーズにオンラインで航空券や旅行商品の販売を行うアドベンチャー<6030>が新規上場。公開価格2500円に対し1時59分、2.27倍の5680円の初値がついた。しかし終値はストップ安の4680円で安値引けと後味は悪かった。東証1部にモバイルオンラインゲームの開発、運営、配信を行うゲーム関連銘柄のgumi<3903>が直接、新規上場。公開価格3300円に対し9時0分、同額の3300円の初値がついて引き分け。終値は3165円で公開価格割れ。大株主各社の最終利益見通しを上方修正させて話題になった「今年最後の大物IPO」だっただけに意外な結果だが、それでも売買代金15位に入るのはやはり大物? 東証2部に業務用冷凍食品の企画、開発、販売を行う大冷<2883>が新規上場。公開価格1800円に対し9時11分、6.6%安い1680円の初値がつき「初値<公開価格」の黒星。終値は1665円で安値引け。主力銘柄全面高の地合いの中で安値引け2件に今週3回目の黒星もあり1勝1敗1引き分けのさえない結果だった。

 今年のIPOはこの日までに黒星が14件、引き分けが3件で、合計17件のうちマザーズは2件、ジャスダックは2件にとどまったが、東証2部は5件で東証1部直接上場は8件もあった。引き分けは全て東証1部直接上場。新興市場はまだ良いが、東証2部上場、1部直接上場は数が少ない割に黒星がつきやすい傾向がみられる。企業にとって最大級の慶事の新規上場初日に黒星や引き分けはやはり縁起がよくないので、来年は「IPOするなら新興市場」という傾向が強まるかもしれない。

 この日の主役は今年のヒット商品番付東正横綱の「インバウンド消費」関連銘柄。前日、日本政府観光局(JNTO)が発表した1~11月の訪日外国人客数は前年同期比28.2%増の約1218万人で、単月の訪日客は9ヵ月連続で100万人を突破し、年間で1300万人を上回って史上最高を更新する勢い。11月は中国から20万人以上が来日し前年の約2倍。10月に免税対象品が食料品、医薬品、化粧品などにも拡大した効果で買い物熱心な中国人が増加したという。空港内免税店の日本空港ビルデング<9706>は320円高で上場来高値を更新し値上がり率14位。ドンキホーテHD<7532>も260円高で年初来高値更新。マツモトキヨシHD<3088>は85円高。銀座三越が外国人客でにぎわう三越伊勢丹HD<3099>は71円高だったが、秋葉原のラオックス<8202>は値動きなし。4月にLCC専用の第3ターミナルができる成田空港アクセスの京成電鉄<9009>は、メリルリンチが目標株価を引き上げ80円高で年初来高値を更新していた。(編集担当:寺尾淳)