9割の中高生が社会での英語の必要性は感じる

2014年12月30日 16:38

 9割の中高生が社会での英語の必要性は感じるが、そのうち5割弱が将来、自分が英語を使うことはないと予想しているという。ベネッセホールディングス<9783>の社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は2014年3月に全国の中高生を対象に、英語学習の実態と意識に関する調査を実施した。その結果を「中高生の英語学習に関する実態調査2014」としてまとめ、28日に発表した。

 この調査は、子どもの英語学習の実態や意識に深く切り込むことにより、改めて英語の指導と学習の課題を考察することを目的にしている。中学1年生から高校 3年生の6学年を対象にしている。

 授業中に「英文を日本語に訳す」「単語や英文を読んだり書いたりして覚える」「単語の意味や英語のしくみについて先生の説明を聞く」「文法の問題を解く」は、すべての学年でほぼ8割以上行われている。一方で、「自分の気持ちや考えを英語で書く」「自分の気持ちや考えを英語で話す」は中2の 6割弱(58.1%、55.9%)をピークに学年が上がるほど減少する傾向にあるという。

 授業の予習・復習時に、中高生の6割が、「教科書本文を和訳」している(中学生 64.8%、高校生65.3%)。また、中学生の47.0%、高校生の32.7%が予習で「教科書本文をノートに写す」と回答している。一方で、「英語で意見や感想を書く」ことは、予習・復習合わせても中学生は2割未満(18.2%)、高校生も1割(11.6%)である。また、「話す」に関しても、「スピーチやプレゼンテーションなどの発音の練習」は予習・復習あわせて2割前後(中学生23.2%、高校生13.0%)と低い結果となった。

 そして、将来の社会での英語の必要性を聞いたところ、中高生の9割(中学生 90.9%、高校生91.1%)が、何らかの形で英語が必要だと回答し、「英語を使うことはほとんどない」は 1割に満たなかった。一方で、自分が英語を使うイメージについて聞いたところ、半数近い中高生は「英語を使うことはほとんどない」(中学生44.2%、高校生46.4%)と回答している。社会での英語の必要性を認識していても、自分自身が使うイメージは低い結果となった。

 現在、ビジネスも 社会環境もグローバル化が進んでおり、それには好き嫌いにかかわらず英語が必要になってくる。日本人は、昔から英語が苦手な民族と言われている。今回の結果は必要性は認識しているが、自分が英語を話すことが考えられないという日本人の英語に対する意識を如実に表している。(編集担当:慶尾六郎)