2014年、最も話題となったスマートフォン(多機能携帯電話)ゲームは何だろうか?ユーザーそれぞれによって挙げるゲームは異なるだろうが、しかしここで筆者がガンホー<3765>が運営する「パズル&ドラゴン(パズドラ)」を挙げたとしても、それに異論を挟む人はそれほど多くはないだろう。
それくらい「パズドラ」はスマートフォンゲーム市場の話題をさらい、また話題だけでなく多くのユーザーを獲得した。11月21日の時点での累計ダウンロード数は3200万ダウンロードを突破し、この数は今後も増え続けるものとみられる。また先日ガンホーは、ユーザー数が急増しており、市場として今後大きな成長が見込める中国にて「パズドラ」の配信を行うと発表。「パズドラ」の海外展開はすでにアメリカやカナダ、韓国、香港、台湾、ヨーロッパなど33の国と地域で行われており、これに成長著しい中国を加えることでさらなる業績拡大をはかりたい考えだ。
こうしたスマートフォンゲームの海外展開は、「パズドラ」だけでなくミクシィ<2121>が運営する「モンスターストライク(モンスト)」やコロプラが運営する「魔法使いと黒猫のウィズ」などのタイトルでも行われており、この傾向は来年以降ますます強まるものとみられている。
スマートフォンゲームの海外展開に拍車がかかっている背景には、国内の市場が飽和状態にあるという背景がある。このまま国内のみで展開を続けていても、やがては頭打ちになるとの予測から各社とも、市場の成長著しいアジア地域を中心に展開を急いでいる。
しかし国内で人気を博したタイトルであったとしても、それをそのまま海外に持ち出せばいいというものでもない。たとえばガンホーは「パズドラ」を中国で展開させるにあたって、中国の市場向けに改良を行うとしている。こうしたローカライズがいかに実を結ぶかも、今後のスマートフォンゲームの海外展開の命運を握る鍵だろう。
すでに様々な国と地域で多くのユーザーを獲得し、その地位を確立したかに思われる日本のスマートフォンゲームだが、しかしその地位が本物であるかどうかは、来年以降のアジア地域での各社の成果によって判断するべきだろう。(編集担当:滝川幸平)