子育てを前向きに楽しむ男性が増えている。09年には育児休業法が改正され、妻が専業主婦の男性でも育休を取得できるようになった。10年には厚労省の「イクメンプロジェクト」がスタート。男性の家庭参加は当然になりつつあるが、現代の父親たちの家庭参加は必ずしも「妻と同じように、平等に」が主流ではないようだ。
労働政策研究・研修機構が5月に公表したレポート「父親の働き方と家庭生活」によると、父親の育児参加は、「夫婦平等型」「男性二重役割型」の2パターンに分けられるという。「夫婦平等型」は、現在31~43歳の「就職氷河期世代」に多い。家計のために共働きは当然で、家事育児は平等に分担する。たとえば、妻よりも残業が少ない夫が平日の家事・育児を担当し、妻はその分、残業もこなす。夫は平日の家事・育児で疲れが溜まるため、週末は子供の世話を妻に任せて、休日出勤したり勉強会に参加するなどしてリフレッシュを心がける、といったケースだ。
一方「男性二重役割型」の夫は、平日は仕事中心で、ほとんど家事をしない。「平等型」と比べて妻の専業主婦率は高く、「夫は仕事、妻は家庭」という役割分担が比較的はっきりしているのが特徴だ。ただ、このタイプの妻は夫に対し、「平日は仕事、休日は家事もしてね」という「二重役割」を期待している。夫もその期待を、特に負担であるとは思っていない。彼らは平日に時間がとれない分、週末は喜んで子供と出かけ、妻を気遣う。その理由は、妻の育児ストレスを解消するためである。
「平等型」「男性二重役割型」の父親は全く異なるタイプのようにも思われるが、両者とも、家庭を顧みない「昭和の父」を反面教師にしている点は同じである。彼らは父親として、「仕事もきちんとこなし、子育てにも積極的に関わりたい。その生き方を子どもに見てほしい」と考えている。現代のマイホームパパは、仕事を一生懸命こなしながら、自分なりに工夫して家事・育児に関わろうとしているのだ。(編集担当:北条かや)