仕事と育児どっちが大事? 模範解答は存在するのか

2014年04月20日 21:07

男性育児写真

「育児のできる男=イクメン」として父親の子育てに対する期待度は日に日に増している。

 「育てる男が、家族を変える。社会が動く。」これは平成22年度より政府が行っているイクメンプロジェクトのスローガンだ。「育児のできる男=イクメン」として父親の子育てに対する期待度は日に日に増している。

 一方で男性の育児参加について日本はまだまだ厳しい状況にあるといわざるを得ない。平成24年度の男性の育児休業取得率はなんとわずか1.89%。平成32年までの目標とされている13%は遥か雲の上の数値である。イクメンの中心となる30代から40代の父親たちは企業にとっても最も戦力になる世代である。早朝出勤や残業が連日続いているという人も多いはずだ。育児に参加したいという気持ちはあってもなかなかそれが許される環境ではないというのが現実だろう。

 また、逆に敢えてイクメン化しないという父親もいる。ある外資系金融機関に勤める20代後半の男性は、専業主婦である妻に育児の大半をまかせ自分は早朝から深夜まで連日ハードワークをこなしている。これは家庭のベネフィットを最大化するために夫婦間でよく話し合った結果なのだそうだ。仕事柄出張も多いが夫婦仲も良く、楽しみは子供の動画を妻から送信してもらうことだそう。子供に対する愛情は人一倍だと公言している。

 結局のところ大切なのは、育児に対する意識の共有であろう。夫婦間において育児に対する認識を豊富にコミュニケーション出来ていればトラブルは起こらないはずだ。夫がどれだけ頑張っているつもりでも妻から「足りない」と思われていればそれはイクメンとは言えない。逆に今ひとつ育児に参加する時間が取れなくても、妻がそれでヨシと感じていれば必ずしもイクメンでなくても構わないのだ。

 これからは妻が専業主婦であっても父親の育児参加が求められる時代になる。夫婦間の意識のギャップは多少衝突しながらでも埋めていくしかない。子育てに限らず夫婦とはそういうものだ。理想を追いすぎても無理がある。完全無欠のイクメンを目指すのも、全ての育児を拒否してしまうのも現実離れしている。

 それぞれの家庭によって最適な育児スタイルは千差万別のはず。日本に本当に必要なのはイクメンを強要することではなく、柔軟で余裕のある社会作りなのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)