仲間との会話で盛り上がり、スマホを利用して、その場で関連した商品を思わず衝動買い――そんな「衝動ポチり買い」をする人が増えているようだ。NTTアドが昨年11月、全国10代~50代のスマホ利用者1000人を対象に実施した調査によると、直近1年以内にネットショッピング(スマホ経由)の経験がある人は52.6%と過半数にのぼった。そのうち、「ネットサーフィンなどで偶然見つけて購入した」、「友人や知人たちのSNSでの情報により衝動的に購入した」、「友人や知人たちと実際に会って会話中に商品の話題が出て、盛り上がり衝動的に購入した」のいずれかを選択したユーザーを「衝動ポチり買い経験者」と定義すると、スマホによるネットショッピング経験者のうち37%が「衝動ポチり買い」をしたことがあると分かった。「衝動ポチリ買い」は、スマホ利用者全体でみても19.5%にのぼっており、新たな購買行動として顕在化しつつある。
NTTアドが調査の前に実施した、20代から30代男女を対象としたグループインタビューでは、「仲間との会話が盛り上がり思わずその場で衝動買いしてしまう」といったケースがよく見られた。女子会で演劇の話が盛り上がり、思わずその場でチケットを購入してしまった、飲み会の席で議論が白熱し、その場で関連書籍を購入した、など、備忘録代わりのように、その場で即決購入する機会が増えているという。TwitterなどのSNS上では、スマホによる衝動買いを指して「ポチる」「ポチった」などとツイートされているが、こうした行動の中にも「衝動ポチり買い」が含まれているのだろう。
「衝動ポチり買い経験者」の中で最も購入率の高い商品は「書籍・コミック」48.4%、「衣類」47.6%で、コンテンツやファッションに関心が高い。男女別でみると、「衝動ポチリ買い」をしているのは男性の32.4%に対し、女性では41.6%と、明らかに女性が多かった。女性はネットやクチコミ情報に敏感に反応しているようだ。世代別では30代(42%)が最も「衝動ポチリ買い」をしやすく、10代から30代までは年齢が上がるにつれてその割合が上昇していた。10代よりも20代、30代の方が衝動買いをしやすいのは、社会人になって可処分所得が上がることも影響しているかもしれない。気分が盛り上がり、「買いたい」と思った時に、その場で買う。スマホの普及で、新たな購買行動が顕在化しつつある。(編集担当:北条かや)