サイバー攻撃の影響によりソニーが決算提出延期

2015年01月26日 09:00

 ソニー<6758>のアメリカ映画子会社であるソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)に対する大規模なサイバー攻撃の余波が、思わぬところから表出する形となった。ソニーは23日、第三者から受けた大規模なサイバー攻撃により、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの財務・会計ソフトを含む基幹システムの一部が停止した状態であり、2015年2月上旬まで利用することができない見込みであることから、14年4~12月期の四半期報告書の提出期限の延長を金融庁に申請したとの発表を行った。

 ソニーは当初、14年4~12月期の確定値を2月4日に公表するとしていたが、しかし14年11月に受けた大規模なサイバー攻撃によりソニー・ピクチャーズエンタテインメントの財務・会計ソフトを含む基幹システムの一部が停止。現在、復旧に向けて作業が進められているという。そのため確認や監査にかかる時間を考慮した場合、報告書の提出期限である2月16日には間に合わないとの判断から、金融庁に延長を申請。これが承認されると提出期限は3月31日となる。ソニーは3月31日までには報告書を提出することができるとしている。またサイバー攻撃が業績に与える影響については、「現時点では軽微」との認識を示している。

 14年11月の大規模サイバー攻撃により、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントは従業員の報酬や幹部の電子メールなど、大量のデータ流出に見舞われた。そして北朝鮮の指導者を題材にした映画「ザ・インタビュー」の上映中止騒動などが起こるなど、様々な影響を被ることとなったが、今回新たに財務面でも影響を受けることとなった。

 しかしソニーは同社の14年4~12月期の決算発表及び業務説明会については、2月4日に行うとしており、同日までにソニー・ピクチャーズエンタテインメントの決算は完了しない見込みであるものの、2月4日時点での情報にもとづき「合理的に開示可能な範囲で14年4~12月期の最新見通しを伝える」としている。(編集担当:滝川幸平)