ジャガーは、2013年のフランクフルト・モーターショーで初公開したクロスオーバーコンセプトカー「C-X17」の量産モデル「F-PACE」を発表した。
レクサス<7203>「RX」やポルシェ「カイエン」、キャデラック「SRX」等の成功を横目にステーションワゴン止まりだったジャガー、「いつになったらクロスオーバー売るのか?」と心配だったがついに登場した。
ジャガーは現在ジャガーランドローバー(JLR)としてランドローバーと共にインドのタタ・モータース傘下となっている。14年の販売台数は46万2678台(前年比9%増)と好調だ。しかしジャガー単体でみてみると8万1570台(前年比6%増)と、ほとんどがランドローバーの手柄であったりする。
ブランドの住み分けとしてジャガーが“セダン”、ランドローバーが“クロスオーバー”、というのはわかる。しかしポルシェがクロスオーバーやセダンを売り、VWが最高速400km/hを超えるスーパーカーを売り、BMWがFF車を売り、ホンダ<7267>が軽自動車ばかりを売る今、各社プライドを捨てがんばっている。JLRも「もう限界だ!」と思ったのではないか。
F-PACEはジャガーの主力商品となるはずだ。ポルシェのクロスオーバー割合(60~70%)から想像すると、遠くない将来ジャガー単体で20万台を超えるだろう。ジャガーのバックには四輪駆動車を専門としてきたランドローバーがいる。モノには間違いはない。生産もなんとランドローバーの工場である英国ソリハル工場だ。ジャガーの形をしたランドローバーというレベル。
今後はF-PACEを基準に大型、小型、Rグレード、いろいろ車種展開するだろう。クロスオーバーのラインナップを増やす度にジャガーの販売台数は伸びていく。筆者の予想ではきっと「カイエンターボS」に対するライバルを出すと思う。現在「レンジローバースポーツSVR」がカイエンターボSのライバルなのだが、どちらも2000㎏を大きく超える重量級である。そこにアルミやカーボンで軽量化したジャガーらしいスポーツクロスオーバーをライバルとして登場させたいのはJLRも同じだろう。(編集担当:久保田雄城)