英ジャガーが日本市場に投入した特別限定車は、伝統のマルチシリンダーと訣別した新世代エンジン搭載車

2014年11月25日 09:52

Jaguar XF

ジャガーの特別限定車はマルチシリンダー・エンジンと訣別した、同ブランド初の新世代パワーユニットである2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。いわゆるダウンサイジング・コンセプトのワールドトレンドに沿った「XF 2.0 Luxury」をベースに開発した「XF 2.0 R-Sport」だ

 日本の自動車市場は当然ながら本年4月の消費増税後の低迷から脱却できていない。できていないと言うよりも、ますます深刻化しているとさえ表現できる。

 昨年まで絶好調だった輸入車の販売も4月以降は厳しい。日本自動車輸入組合(JAIA)の情報によれば、海外メーカーからのインポートカー(乗用車)の4月~10月までの累計販売台数は、14万3469台(前年実績比91.9%)だ。こうしたなかで、ルノー・ジャポンやフォルクスワーゲン(VW)ジャパンなどは、特別限定車を徹底してリリース。何とか販売活性化につなげている。

 そこで今回登場したのが、ジャガーからリリースされる限定車だ。今期4月~10月のジャガー・ブランドの販売実績は、基本的に悪くない。前年比で103.1%と堅調だ。が、ジャガー・ランドローバー・ジャパンとして会社の台所事情は決して良くない。

 そこで好調なジャガーのスポーティ・ラグジュアリー・サルーン「XF」に特別装備を満載した特別仕様車を投入、活性化を狙うというわけだ。

 日本で100台だけの販売となる「XF 2.0 R-Sport」は、ジャガー伝統の8気筒や12気筒といったマルチシリンダー・エンジンと訣別した新世代ジャガーのパワーユニットである2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。いわゆるダウンサイジング・コンセプトのワールドトレンドに沿った「XF 2.0 Luxury」をベースに、スポーティな装備を充実させたモデルである。組み合わせるトランスミッションは、ZF製8速オートマチック・トランスミッション(8AT)だ。

 エクステリアは、スポーツフロントバンパーやサイドシル・エクステンション、「R-Sport」バッジを配したサイドパワーベント、18インチ・アロイホイール(オプションで19インチ・テクニカルグレイ・フィニッシュ・アロイホイール)を装着する。

 インテリアでは、「R-Sport」のバッジ付きステアリングホイール、ブライトステンレス・スチールペダル、ピアノブラックパネルなどを採用し、ドイツ車とは趣が異なるジャガーらしいスポーティでラグジュアリーな空間に仕上がっている。

 また、スウェードクロス&ボンドグレインレザーの6ウェイ(運転席&助手席)電動パワーシートや、フロント・パーキングコントロールとリアカメラ・パーキングコントロール、ジャガースマートキーシステム(キーレスエントリー)など、快適な運転支援機能も備えた。

 この特別限定車「XF 2.0 R-Sport」のボディカラーは、ソリッド・ペイントのポラリス・ホワイト、オプションカラーの3色であるメタリックのアルティメイト・ブラック、オデッセイ・レッド、オスミウムの4色展開となっている。ドイツのスポーティサルーンとは異なるテイストのジャガー、優雅でエレガントなスポーツセダンがほしい紳士にお勧めのモデルといえる。もちろん淑女にも……。車両価格は626.7万円。(編集担当:吉田恒)