平和を求める世界の市民と手をつなぐため、憲法9条を激動する世界に輝かせようと、ノーベル文学賞受賞の大江健三郎氏やベトナム反戦などで活躍した小田実氏、日本ペンクラブ第14代会長の井上ひさし氏らとともに「憲法9条の会」の呼びかけ人になった表現の自由の第一人者・奥平康弘東大名誉教授が逝去したことに、日本共産党の志位和夫委員長は31日「心からの哀悼を申し上げる」と哀悼の意を示した。
そのうえで、志位委員長は「穏やかな語り口で憲法擁護を説きつづけた奥平さん。奥平さんが大江健三郎さんたちとつくった9条の会は全国7500の草の根の会を持ち、大きく発展している」とし「9条改憲阻止の決意を新たにする」と戦争放棄を規定した憲法9条の改憲を許さず、平和の道を歩み続けていく誓いを改めて示した。
9条を守る会では3月15日に都内の専修大学神田キャンパスで全国討論集会を予定している。開会中の通常国会で安保法制見直しの法案が提出、審議されることを踏まえ、日本を戦争する国にしないためにどう活動していくべきか、運動方針などを語り合う場になるという。
9条の会は2004年に発足、この時、すでに「日本国憲法が実現しようとしてきた『武力によらない紛争解決をめざす国の在り方』を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩むもの」と強い危惧を示し「私たちは、この転換を許すことはできない」と訴えている。
安倍政権による集団的自衛権行使容認の憲法解釈の変更の閣議決定と今後の安保法制見直しなどの一連の動向はその危険をさらに高めるものとし、取り組みを強化する考え。(編集担当:森高龍二)