日立製作所<6501>は4日、2015年4月1日付で、米州、中国、アジア・パシフィック、欧州・ロシア・中東等(EMEA・CIS)の4地域に分けて総代表を任命すると発表した。
各総代表は、戦略立案や現地化の推進、経営資源の有効活用などに加え、成長が期待される新たな事業分野に対する投資権限、回収および損益責任を持ち、各地域が自律的にビジネスを主導する「自律分散型グローバル経営」体制への変革を図る。現在、日立が取り組んでいる海外売上高比率50%超を目標とする「2015中期経営計画」の完遂とその先の成長に向けての戦略だ。
グローバル地域経営については、2012年12月にインドにおいて、2014年6月には中国において、それぞれ地域戦略を立案し、その目標達成に向けて日立グループが一体となり、事業を展開してきた。また、鉄道システム事業においては、2014年4月から英国・ロンドンに、グローバル戦略を統括するグローバルCEOを置き、迅速な意思決定ができる体制を構築し、各地域で計画されている鉄道プロジェクトに対して積極的な受注活動を進めている。
経済成長が見込まれる米州では総代表にジャック・ドメ氏が就任し、これまで日立データシステムズCEOとして培ってきた知見と経験を生かしながら、エネルギー、通信、金融、ヘルスケアなどの業種に対してビックデータアナリティクスを活用した新たなソリューションなどを展開していく方針だ。
持続可能な安定成長が見込まれる中国では、総代表の小久保憲一氏が、継続して政府が掲げる新型城鎮化に向けた内需拡大や低炭素社会の実現に合わせた戦略を実行していく。
社会インフラ関連の需要が旺盛なアジア・パシフィックでは、総代表に飯野一郎氏が就任し、シンガポールやインドなどで、地元パートナーとの連携によるヘルスケア産業向けソリューションや、アジア地域に進出している日系銀行への新たな金融ソリューションの推進を図る。
また、社会インフラの更新需要やヘルスケア分野での市場拡大が見込まれる欧州・ロシア・中東等(EMEA・CIS)では、総代表のクロウス・ディーター・レナートしが、ドイツにおける「Industrie4.0」の動きを踏まえ、生産およびサプライチェーンの効率向上を実現するソリューション事業を展開していく。(編集担当:慶尾六郎)