2014年にエネルギー改革法が公布され、発電事業への民間企業の参入が認められるようになったメキシコにて、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は3日、メキシコ電力庁より石炭焚き火力発電設備の増出力工事を設備の設計、調達、建設業務までの業務すべてを請け負う「フルターンキー契約」で受注したとの発表を行った。石炭焚き火力発電設備の増出力工事の受注にともなう受注額は約230億円とのこと。
工事は17年2月よりまず1号機から着工し、半年ごとに各ユニットの工事を開始する予定。工事完了は19年2月を予定している。
三菱日立パワーシステムズによれば、今回の工事は発電効率の工場をはかるため、タービンなどの主要機器を更新。それとともに総出力120万キロワットの大規模な発電設備を132万キロワットにまで増やすという。工事の対象となるのは、メキシコ北部コアウイラ州ピエドラスネグラスにあるリオ・エスコンディド火力発電所の1号機から4号機までで、これらに対して三菱日立パワーシステムズ(当時は三菱重工業およびバブコック日立)は1982年に主要機器を納入している。
今回の工事は経年劣化しているこれらの設備を更新し、高効率発電所として再スタートさせるために行われる。三菱日立パワーシステムズはその工事のうち、蒸気タービンなどの主要機器、補機の設計・調達・政策から土建工事・据付・進展を担当する。
メキシコは今年8月にエネルギー改革法を公布。それにより発電事業への民間企業の参入が可能となった。そしてメキシコ電力庁は民間発電事業者との競争激化を前に既存の電力設備の課題を改善しておく必要があると考えた結果、今回の三菱日立パワーシステムズとの契約を決定した。
そして三菱日立パワーシステムズは今回の石炭焚き火力発電設備の増出力工事を、三菱日立パワーシステムズのメキシコの拠点であるMHPS-MEXと、特別目的会社EREを通じて受注した。
三菱日立パワーシステムズは今回の工事受注発表に際し、「当社は、火力発電システム向けフルレンジの製品群を擁して、発電分野のトータルソリューションを提供しています。今後も、高効率製品を製作・供給するだけでなく、今回のような増出力工事も含め、多種多様な市場・顧客のニーズに的確に応えて、各国・地域の経済発展に貢献していきます」とのコメントを発表している。(編集担当:滝川幸平)