菅義偉官房長官は4日、自民・公明の幹事長会談で安倍総理が戦後70年の節に出すとしている「総理談話」に対し、公明党の井上義久幹事長が「談話に盛り込む内容については政府・与党で共有したい」旨の要請があったが、政府はどう対処するのかと記者団に聞かれ「政府としては有識者の会合を要請するので、その会合の中で様々なことが提案頂けると思う」とし「その中で、談話の中身は決めていくことになるだろう。現時点ではその有識者の会合をみたい」と語り、有識者会議での議論を待つ姿勢を示した。
ただ、有識者会議とはいえ、結論ありきになるのではないか、との懸念は避けられず、今後はそのメンバーがどこまで公平・中立に歴史分析を行えるのか、特定のイデオロギーや歴史観にとらわれていないかなど、有識者会議のメンバーが最大関心事になりそう。
菅官房長官は「有識者会議のメンバーもまだ決まっていない。これからだ」と述べた。
また、同日夕の会見で、この日の衆院予算委員会で、戦争指導者は戦争犠牲者に入るのかとの問いに安倍総理が答えなかったが、政府としての解釈はと記者団に聞かれ、菅官房長官は「政府としては極東国際軍事裁判での裁判を受諾しており、それに異議を唱える立場にない」と答え、戦争責任者はA級戦犯とされた人らであることを政府として受け入れている旨を語った。
ただ、戦争犠牲者の御霊を祀るとする靖国神社に戦争指導者が合祀されているのは問題との見解もあり、いわゆるA級戦犯を分祀する、ないし、無宗教施設を建設し、そこで、戦争犠牲者とA級戦犯を分祀することなど、戦後70年の節に靖国神社とA級戦犯の問題が改めて議論される機会にもなりそう。(編集担当:森高龍二)