大発会の日経平均は300円近くも上げて活況

2013年01月04日 17:35

 1月4日は2013年の初取引の「大発会」。大納会翌日からの6連休の間に、アメリカの「財政の崖」問題は日本時間で1月2日昼、与野党が合意した法案が上下両院を通過して解決した。その2日に308ドル急騰するなど年末年始の間にNYダウは295ドル上昇し、為替はドル円が86円台半ばから87円台半ばまで、ユーロ円が114円台半ばから114円近辺まで「ドル高ユーロ安」が進行した。

 東証アローズでは大発会セレモニー恒例の打鐘、手締めの後、新年初日の日経平均は209.32円高の10604.50円で震災前水準を回復し、225銘柄全て上昇という縁起の良いスタート。何度も10700円にタッチしながら、終始10600円台後半で推移。終値は292.93円高の10688.11円で、5日続伸した。クリスマス前後はお休みだった外国人投資家も年明けは元気に戻ってきて、売買代金は前場だけで1兆円を突破し、1兆9516億円と活況を呈した。東証1部時価総額は300兆円の大台を回復。33業種騰落率は全業種プラス。TOPIX終値は昨年3月27日の最高値を上回って+28.71の888.51と「末広がり」の8が3つ並ぶ縁起の良さで、「1年の計は大発会にあり」と言うなら、ハッピーな年になりそうな予感がする一日だった。

 騰落率上位業種はゴム、保険、自動車、電力、証券、銀行など。自動車株は12月のアメリカの自動車販売台数が発表され、9%増のトヨタ<7203>は255円高、26%増のホンダ<7267>は125円高と大きく上昇し、アメリカでの「レガシィ」など4車種、63万4000台のリコールが伝えられた富士重工 ですら82円高だった。「日経平均寄与度御三家」はファナック<6954>の上昇が目立ち、ファーストリテイリング<9983>ともども上場来高値を更新したが、ソフトバンク<9984>は続落してカヤの外だった。

 この日、東証1部全体の91%の1553銘柄が値上がりし、日経平均採用銘柄225種で値下がりは7銘柄だけ。その一つがシャープ<6753>で、値下がり率6位の8円安で300円割れ。読売新聞が1日に1000億円の公募増資を検討と報道し、会社側は否定したが希薄化が嫌気されて下げた。NHK会長が「4K放送(スーパーハイビジョン)」の試験放送開始を2016年のリオ五輪に前倒しすると表明し、東芝<6502>は13円高、ソニー<6758>は10円高、パナソニック<6752>は15円高だったが、同じ「4Kテレビ銘柄」でありながらシャープはプラス圏に浮上できなかった。

 1日に東証と大証が経営統合して日本取引所グループ(JPX)<8697>が誕生し、この日、東証に新規上場した。9時21分についた東証の初値はジャスダックでの大納会の終値4300円を560円下回る3740円。東証終値は415円安の3885円で、値下がり率ランキングの“隠れ1位”になりご祝儀ムードはなかった。光世証券<8617>が38円高で値上がり率ランキング3位に入ったが、創業者で巽大介現社長の父親の巽悟郎氏は2000年から2003年に亡くなるまで大証の社長として大改革を断行し、東証との対等な経営統合、JPX発足への道を開いた人。功労者への感謝のご祝儀買いと、字は違うが同じく「たつみ」と読む「辰巳天井」の縁起買いの両方が込められていたのだろうか?蛇足ながら大納会で「ヘビ年の縁起物」として買われた蛇の目ミシン<6445>は前場に昨年来高値をつけたが、その後は売られて終値は2円安だった。(編集担当:寺尾淳)