海外の経済指標は、12日のアメリカの小売売上高、13日のドイツ、ユーロ圏のGDPが重要。9~10日のG20財務相・中央銀行総裁会議と12日のEU首脳会議で、前週の外部要因を不安定にしたギリシャの債務問題に決着がつくかもしれない。
9日はドイツの12月の貿易・経常収支、インドの10~12月期の国内総生産(GDP)、10日は中国の1月の消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)、フランス、英国の12月の鉱工業生産指数、アメリカの12月の卸売在庫、卸売売上高、11日はアメリカの1月の財政収支、12日はオーストラリアの1月の失業率、ユーロ圏の12月の鉱工業生産指数、インドの12月の鉱工業生産指数、アメリカの1月の小売売上高、13日はフランス、ドイツ、ユーロ圏の10~12月期の国内総生産(GDP)速報値(ユーロ圏は域内総生産)、アメリカの1月の輸入物価指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数が、それぞれ発表される。
8~10日にドイツのメルケル首相がアメリカとカナダを訪問する。9~10日にトルコのイスタンブールでG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。9~10日にロシアのプーチン大統領がエジプトを訪問する。12日はフィリピンの中央銀行が政策金利を発表する。ブリュッセルでEU首脳会議が開かれる。12~22日に「シカゴ自動車ショー」が開催される。14日はナイジェリアの大統領選挙の投開票日。
アメリカ主要企業の決算は10~12月期の残りと11~1月期が混在。10日はコカ・コーラ、11日はエヌビディア、テスラ・モーターズ、アプライド・マテリアルズ、シスコシステムズ、ペプシコ、トリップアドバイザー、12日はケロッグ、AIGが発表する予定。
今週は13日がマイナーSQの日になり、泣く子も黙るSQ週。2014年のSQ週の週間騰落は3勝9敗で、年が明けて1月のSQ週も253円安だった。その週の中でもボロボロ下落することが多い「SQ週の水曜日」の2月11日は祝日で休場だが、相場の厄病神はそんなことで容赦してはくれない。休みの分が10日の火曜日に繰り上がって2日分のまとまった下げになるかもしれない。9日も12日も「日経平均寄与度御三家」を軸に為替の円高とセットで売り仕掛けされる「ゲリラ急落」がいつ襲ってくるかわからず、気が抜けない週になりそうだ。
ゲリラ急落が起きるのはやはり需給が悪いからで、現状の需給の状況は決して良くはない。まず信用倍率(貸借倍率)。1月は4週間ずっと5倍を超え、10月以来の高水準。前週、上値を追いづらくボラティリティが大きかったのも納得できる。裁定買い残のほうも「2012年9月以来の低水準」と言われながら、1月16日に16億2003万株、2兆3135億円で底を打った後は、2月4日には19億8152億株まで積み上がっている。SQ週の今週、ひと波乱ありそうな予感がある。
ファンダメンタルズの外部要因は、6日発表のアメリカの雇用統計は「快晴」だった。失業率は5.7%に上昇し市場予測を0.1ポイント上回ったが「労働参加率が上昇したから」という言い訳で不問に付された。非農業部門の雇用者数は市場予測を2.3万人上回る25.7万人の増加で、さかのぼって11月分は12月分とともに上方修正されて42.3万人増になるおまけもついた。イエレンFRB議長が気にする時間当たり賃金も0.12ドル増で年明けは上昇に転じた。発表直後、為替市場ではドル高が進行しドル円レートは119円台になった。しかし、9月あるいは10月と言われたFRBの利上げが早まる観測が出て株価への影響は複雑。快晴でも「太陽がまぶしすぎるから」株価が下落することはある。別に不条理なことではなく、投資家はそんなマーケット心理も引き受けなければならない。