NHK会長の発言「看破できない」と長妻氏

2015年02月13日 08:53

 長妻昭・元厚生労働大臣(民主党代表代行)は12日、NHKの籾井勝人会長が今月5日の記者会見で記者団に、戦後70年目の節目に従軍慰安婦について番組で取り上げる可能性があるのかを聞かれ『(慰安婦問題について)正式に政府のスタンスがよくまだ見えない。慎重に考えなければならない』と述べたことに「政治家が個々の放送について言及するのは厳に慎まなければいけないがこの発言は看過できない」と強く問題提起した。

 また、戦後70年の総理談話について、与野党との協議を求める意見を自民党の萩生田光一総裁特別補佐が「事前検閲」と指摘したことについても「強い違和感を持つ」と批判した。長妻氏は「(戦後70年談話は)国会、与党野党で事前に議論するべきだと私も強く考えている」とした。

 70年談話については与党内にも「野党を入れて議論すべき」(二階俊博自民総務会長)との意見もあり、自民党の谷垣禎一幹事長は「今は有識者会議の議論がどうなるのかをよく見ていく」との姿勢を示し、荻生田氏の「事前検閲」発言には「表現の問題と思う」とし「用語法として適切であったかどうか議論があるかもしれない」とフォローした。

 長妻氏は、また、この日行われた安倍総理の施政方針演説について、「格差への言及が全くなく、びっくりした」と語った。一貫して格差社会の是正に取り組んでいる長妻氏は「施政方針演説に子どもの貧困について若干の言及があったが、最大の問題である格差に対してもっと深い認識を持っていただきたい」と総理の認識が浅いとして問題視した。

 長妻氏は、総理の演説内容は「各省庁から上がってきたものを寄せ集めた短冊方式の感が否めない」とも指摘した。(編集担当:森高龍二)