このところ再生可能エネルギーによる発電事業がいたるところでスタートしている。先日も秋田県湯沢市で地熱発電事業が本格的にスタートした。今回は日立造船らのコンソーシアムが風力発電事業を本格スタートさせる。
日立造船<7004>をはじめとする10社によるコンソーシアムは6日、村上市岩船沖洋上風力発電推進委員会が公募した「岩船沖洋上風力発電事業企画」に応募していたが、「岩船沖洋上風力発電事業者」として採択されたと発表した。
村上市は、洋上風力発電事業の実現が地球温暖化対策や地域経済の振興、観光などの地域活性化に貢献するものと捉えており、同市の岩船沖に洋上風力発電事業の円滑な導入を推進することを目的に推進委員会を2014年11月に設立した。
この案件は、推進委員会が村上市岩船沖約2km先の水深-10mから-35mの一般海域にあたる約2,700haを対象にした洋上風力発電の事業企画を公募したもので、同コンソーシアムが採択された。この採択により、同コンソーシアムは出力22万kW(5,000kW×44基)規模の着床式洋上風力発電を想定した事業化検討を開始する。事業化検討の結果、事業の実現可能性が確認できた場合、別途2015年度に特別目的会社を設立し、2020年度に機器の製作開始、2024(平成36)年度からの運転開始を目指す。
なお、この事業における10社の主な役割は、日立造船(幹事会社)は全体設計、基礎構造の検討を、ウェンティ・ジャパンは事業開発、事業運営に関する検討を、住友電気工業は変電設備、送電ケーブルおよび架設の検討を、日立キャピタルはファイナンス、事業運営に関する検討を、日立製作所は風車の性能および設置の検討を、三菱商事は事業開発、事業運営に関する検討を、第四銀行はファイナンスに関する検討を、東亜建設工業は建設工事に関する検討を、本間組は建設工事に関する検討を、三菱東京UFJ銀行はファイナンスに関する検討を、それぞれ担当する。
風力発電は、設置や運営コストが低く、風力をエネルギーとするためもちろん環境問題への影響がほとんどない。ただし、電力供給力の安定性に欠けることや施設周囲の景観や騒音問題もある。このため、島国であり領海が広い日本では 今回のように洋上での発電に期待がかけられている。(編集担当:慶尾六郎)