日本マクドナルドHD、原田会長の退任を発表

2015年02月23日 08:01

 昨年発生し様々な飲食店や企業に影響をもたらした中国の期限切れ加工肉問題、また今年に入って相次いで発覚した異物混入問題などにより、日本マクドナルドホールディングス<2702>は今、かつてない苦境に立たされている。その結果2014年12月期の連結決算は、連結売上高が前年比14.6%ダウンの2223億1900万円、連結営業利益が67億1400万円の赤字、連結経常利益は79億7400万円の赤字となり、連結当期純利益についても218億4300万円と大幅な赤字であった。さらに異物混入問題の影響から15年12月期の連結業績見通しは未定とした。

 日本マクドナルドホールディングスがこうした状況に陥ったのは、中国の期限切れ加工肉問題や相次ぐ異物混入問題などが連続して起こるという「不運」に見舞われたためという見方もできなくはないが、しかし「はたして『不運』という言葉は適切なのか?」という疑問も大いにある。異物混入問題が発覚した際に、はたして誠実な対応をみせたのか?そもそも「異物混入」そのものが「自ら招いた不運」ではなかったのか?もちろん「異物混入を完全に防止することは難しい」という意見もあるが、しかし現在の状況は日本マクドナルドホールディングスが自ら招いてしまった窮地であると言わざるを得ないだろう。

 そうしたなか、日本マクドナルドホールディングスは20日、任期満了にともない原田泳幸会長が3月25日付で退任するとの発表を行った。3月25日の株主総会で承認された後、取締役会を経て正式に決定される。

 原田泳幸会長は13年8月に事業会社の社長を、そして14年3月には持ち株会社の社長をサラ・カサノバ氏に譲っており、実質マクドナルドの経営からは身を退く形となっていた。今後、原田泳幸会長は会長兼社長を務めるベネッセホールディングス<9783>の立て直しに注力するとしている。また会長退任に際して「日本マクドナルドは真摯な気持ちでふたたびお客様の店舗体験の価値を高めることと私は確信しております」とのコメントを発表している。

 04年に社長に就任して以来、「100円マック」などの低価格メニューにより業績を伸ばしてきた原田泳幸会長が去り、今後の日本マクドナルドホールディングスの舵取りはサラ・カサノバ社長兼CEO(最高経営責任者)に託されることとなった。はたして日本マクドナルドホールディングスをこの窮地から救うことができるのか?今後のサラ・カサノバ社長兼CEOの手腕に大きな関心が寄せられている。(編集担当:滝川幸平)