日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示す「需要ギャップ」だが、内閣府は25日に2014年10~12月期の「需要ギャップ」を発表。それによれば「需要ギャップ」は、前期(7~9月期)のマイナス2.6%からマイナス幅が縮小してマイナス2.2%となったことがわかった。この結果を金額で表すと約11兆円の需要不足となっていることになり、前期の金額である約13兆円よりも改善したものの、依然として需要が不足していう現状が浮き彫りとなった。
今回のこの結果は、10~12月期の国内総生産の成長率が年率2.2%アップと、潜在成長率の0.6%アップを上回ったためで、こうして改善するのは3期ぶりのこととなる。ただし改善したもののマイナスという状況には変わりはなく、「需要ギャップ」マイナス2.2%を金額に表すと約11兆円の需要不足であり、日本経済が供給過多にあるという現状に変わりはない。
「需要ギャップ」は経済全体の供給力に対する需要を示したもので、需要が供給を下回るとマイナスになり、このマイナス幅が大きければ大きいほど、需要が不足しているということになる。そして需要が不足しているということは、企業が余分な設備や雇用を抱えているということでもあり、そのため物価や賃金が下がりやすいという側面がある。
13年以降、「需要ギャップ」はずっとマイナス幅を縮小させ続け、14年1~3月期には「需要ギャップ」ゼロにまで改善したものの、14年4月に実施された消費税増税以降のマイナス成長により再度マイナス幅が拡大し、供給過多・需要不足の状態に陥ることとなった。
そして同日に内閣府が発表した14年の暦年の「需要ギャップ」はマイナス1.6%であり、13年のマイナス1.1%よりもマイナス幅が拡大し、ここでも供給過多・需要不足という現状が浮き彫りとなった。そして14年の暦年の「需要ギャップ」が前年よりも拡大し1.6%となったのは、14年の国内総生産の成長率が0.0%と、潜在成長率0.6%を下回ったためとしている。(編集担当:滝川幸平)