NHKの籾井勝人会長は5日の衆議院総務委員会で、戦後50年の村山談話にからみ『将来はわからない』などと発言した真意について、社会民主党の吉川元政審会長に聞かれ「村山談話はNHKの国際番組基準である我が国の国際問題に対する公的見解に含まれるということを説明したもの」と答え、NHKの国際番組基準における日本の公的見解であるとの位置づけだとした。
吉川議員は「籾井会長は2月18日の民主党の会議で、村山談話について『今のところはいい。将来はわからない、政権がかわって、村山談話はいらないと言うかもしれない』などの主旨の発言をされたとの報道があるが、真意は」と質した。
特に、吉川議員は「将来はわからないという発言の主旨は、時の政権が村山談話をどのように評価するかによって、NHKの報道姿勢が左右されるという意味なのか」と質した。
籾井会長は「我々は放送法にのっとって、事実に基づいて公平公正、不偏不党の立場を守る」と「誰かの味方をするというのでは公共放送の役割を全うできない。右とか、左とかの話もよく出てくるが、昨年の国会で、わたしの発言は取り消しさせて頂いているので、是非、その辺のことばは使わないで頂きたいと心からお願い申し上げます」と頭を下げた。
そのうえで籾井会長は「意見が対立している問題では、できるだけ多くの観点から論点を明らかにし、公平に取り扱わなければならないことは、放送法、NHKの国内番組基準に明記されている。その際、自主自律を堅持し、何人からも干渉されないことを大原則として認識している。NHKはこの原則を徹底して放送してきた。今後もこの方針を変更することは、いささかもない。政府から影響を受けたことは一度もない。NHKの公平な番組に自信を持っている」と答弁した。(編集担当:森高龍二)