NHKが電子版『NHKワールドプレミアム』番組欄での特別番組「長崎平和祈念式典~長崎市・平和公園」(8月9日(土)10:30~11:50)の紹介で「長崎市」とすべきところを、すべて「広島市」にするミスを行った。加えて「長崎平和祈念式典」は「長崎平和記念式典」と変換ミスしていた。
NHKが電子版『NHKワールドプレミアム』番組欄での特別番組「長崎平和祈念式典~長崎市・平和公園」(8月9日(土)10:30~11:50)の紹介で「長崎市」とすべきところを、すべて「広島市」にするミスを行った。加えて「長崎平和祈念式典」は「長崎平和記念式典」と変換ミスをしていた。
番組つくりではSTAP細胞をめぐる取材で理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーを執拗に追いかけ、負傷させるなど、籾井勝人会長就任会見での発言問題以来、百田尚樹氏の経営委員としての問題発言など問題や単純ミスが続いている。
ただ、9日の番組紹介文のミスを『単純ミス』といえるのか、内容が平和祈念式典だけに長崎市民や被爆者、被爆死没者とその遺族への思いや式典への意識が番組紹介欄担当者の中に希薄だったのではと思いたくなるミスだ。
紹介欄は「原爆が投下されてから69年。今年も広島市の平和公園で平和記念式典が開かれる」とした。そして「平和の鐘に続いて広島は祈りに包まれる」と。さらに最後には「広島から平和のメーセージを届ける」というミスだった。
ここまで広島と繰り返されては「この1年、世界に向けて『あの日の体験』を伝えようとする被爆者の動きが際立ち、世界の世論を少しずつ動かし始めている」と地道な活動を評価するコメントがこころのこもった評価として伝わらない悲しさがある。
被爆者らの体験を伝える活動が「核兵器のない世界の実現に向けての議論を後押しすることになった」と評しながら「式典では、残された時間を見据えて改めて語り始めた被爆者の思いに寄り添いながら、広島から平和のメッセージを届ける」としてしまっていた。
こうしたミスが長崎市民や被爆者、被爆死没者、その遺族にどのように受け止められるか、訂正とお詫びのうえで、ミスを再発しないチェック機能を強化することが必要だ。
7月にも私はSTAP細胞再現実験に臨んでいる小保方さんへの執拗な追っかけ取材で負傷させた姿勢について「世界から注目される検証だけに特に取材には一定の配慮が必要だし、渦中の人物を取材する場合に報道人としての良識は備えていなければならないが、今回の事案は真相を突き止めたいという取材姿勢より、番組作り優先姿勢が引き起こした行き過ぎとしか思えない。こうした強硬取材が行われたのはなぜか、NHKに社会的常識を逸する取材を行う記者がいるとすれば、今回の事態を引き起こした要因について、NHKとしてその原因を明らかにするとともに、再発防止、今回の記者、カメラマンへの社としての顛末をHPとニュース番組できちんと番組制作責任者が説明すべき」と指摘した。この件に対する対応はどうなのか、引き続き注視したい。
STAP細胞論文の共同執筆者の笹井芳樹氏の急死でさらに不安定な状態だろうから、報道の立場以前に、日本の医療科学のために静かな環境提供に配慮することが必要だろう。
さて、先のミスだが、7月15日のNHK理事会では視聴者から誤記、誤読の指摘が4月に82件、5月に68件、6月に83件あったと広報局担当者から報告され、同時に「直接番組担当者に連絡し、訂正するよう努めるとともに、再発防止のため放送関係部局の連絡会で周知し、放送現場へ注意を喚起した」(広報局担当者)と報告された。籾井勝人会長は経営委員会い報告するとのことだが、商業ジャーナリズムと離れた公共放送機関として、より高いレベルの確度が求められているだけに、こうした状況では改めて注意喚起が必要だ。(編集担当:森高龍二)