一気にブーム Blue Bottle Coffeeの原点は日本だった!?人気の理由とは

2015年03月11日 12:27

 コーヒー界の“Apple”とも呼ばれているBlue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)。2月6日についに日本1号店を東京・清澄白河にオープンした。

 Blue Bottle Coffeeは、毎日焙煎した新鮮な豆を使い、機械ではなく熟練スタッフが一杯ずつハンドドリップする“こだわり製法”が人気を呼んでいる。オープン初日の開店前には100人もの人々が駆けつける程の注目ぶりで3月7日に青山に2号店もオープンした。また代官山にも3号店をオープンする予定で一気に日本でブームの予感だ。

 Blue Bottle Coffeeがすぐに日本で受け入れられる要因は大きく二つ考えられる。一つ目はBlue Bottle Coffeeの原点は、日本の喫茶店文化だったということだ。創業者のジェームス・フリーマンCEOによると、米国の次に日本進出したのは、海外へ事業を拡大する事が目的だった訳ではなく、日本に進出する事にこそ意味があったという。

 元々、ジェームス・フリーマンは「コーヒーが好き」という思いから事業に発展した人物で日本の喫茶店にも度々足を運んでいた。日本の喫茶店文化に触れていた彼は、日本人の特徴をこう述べた。

 「日本には伝統的な職人気質があり、コーヒーに対するオリジナルの技法やナレッジをその人だけが知っているという特徴がある」。アメリカのファストフードにはない職人気質が、「美味しいコーヒーを提供したい」という彼の心に響いたのではないだろうか。

 味のほか、ホスピタリティやサービスも、日本のおもてなし精神を彷彿させる。このようなアメリカのスタイリッシュさがありながらも、日本染みた感覚が日本人に受けた理由であるだろう。もう一つの理由として、日本の消費者がチェーン店への求めるものが変化したことが挙げられる。1945年以降、欧米化主義のもと「早さ・安さ」を謳ったチェーン店が勢力を挙げ、コーヒー業界も同様に「早さ・安さ」で勝負出来ない日本の喫茶店は多くが潰れてしまった。 しかし、近年の消費者は、早さや安さに加えて「品質」「安全性」と言った具合に質の向上を求めるようになった。

 コーヒー業界において、皮肉な事に我々は一人のアメリカ人によって、日本の職人文化を思い出すことになるのだろうか。(編集担当:久保田雄城)