どうなる王者スタバ? 完全子会社化後の展望とは

2014年10月05日 15:22

画像:どうなる王者スタバ? 完全子会社化後の展望とは

米スターバックス・コーポレーションは、スターバックスコーヒージャパンを完全子会社化する。2回の公開買付によって、スターバックスコーヒージャパンの全株式を取得。これにより、ジャスダック市場に上場しているスターバックスコーヒージャパンの株式は上場廃止。

 米スターバックス・コーポレーションは、スターバックスコーヒージャパン<2712>を完全子会社化する計画を発表した。2回の公開買付によって、スターバックスコーヒージャパンの全株式を取得することを目指している。これにより、ジャスダック市場に上場しているスターバックスコーヒージャパンの株式は上場廃止になる見通しだ。スターバックスコーヒージャパンが米スターバックス・コーポレーションの完全子会社になることで、同社のお茶専門店「ティーバナ」を日本でも展開しやすくなる。
 
 スターバックスコーヒージャパンは同社の人気商品フラペチーノを独自に開発し、世界的な人気商品にするなど、これまで日本市場に合わせた展開を行ってきた。9月11日には2015年の3月期の業績見通しも上方修正。最高純益を更新する見込みであった。また15年の夏には、全国で唯一出店していなかった鳥取にも出店し、47都道府県全てで営業を開始する予定など好調な経営がなされていた。

 ただ一方で、コンビニコーヒーの競争が激化している。低価格で気軽に利用できるとあって利用者数が増加。セブン-イレブン・ジャパンが10月下旬から新工程で抽出するコーヒーにリニューアルするほか、ローソンも100円コーヒーの提供を決定した。現在、カフェ事業での生き残り競争は熾烈を極めている。

 米スターバックス・コーポレーションは08年に赤字に転落し、引退していた現CEOのハワード・シュルツが復帰した痛い経験がある。凋落の原因は、ブランドイメージにそぐわない商品の発売や、無計画な出店などであった。しかしシュルツの元で再生プランを遂行し、11年には過去最高利益を記録。赤字から見事に復活した過去がある。現在も新業態の店舗を積極的に出店するなど、市場のニーズに合った店舗つくりを行い続けている。

 スターバックスコーヒージャパンが米スターバックス・コーポレーションの完全子会社になると発表された後、ハワード・シュルツは「日本の独立性は変わらない」という声明を発表した。しかし、米スターバックス・コーポレーションの発言力が増すことは明確である。熾烈な争いが起こるに日本市場で、王者スターバックスがどういった展開を見せるか目が離せない。(編集担当:久保田雄城)