日立製作所は、「社会イノベーション事業を通じてインド社会の中長期的発展に貢献する」という方針のもと、インド事業の強化に動いている。2016年度から18年度まで期間にインド事業で年率10%以上の成長を目指している。
日立製作所<6501>は、「社会イノベーション事業を通じてインド社会の中長期的発展に貢献する」という方針のもと、インド事業の強化に動いている。2016年度から18年度まで期間にインド事業で年率10%以上の成長を目指している。
同社がインドで力を入れようとしているのは、社会インフラ、金融関連サービス、ヘルスケアの3分野。2月には、西海岸のムンバイで、18年に竣工する高級住宅向けエレベーターを受注した。同月、米国のジョンソンコントロールズ社と合弁会社を設立し、インドでのエアコン事業を拡大すると発表している。
さらに昨年買収したプリズムペイメントサービスを核に、金融機関向け決済サービス、ATM運用サービス、現金運用管理ソリューションなど、インドの金融サービスを支える新サービスを提供していく。18年にATM保有台数を10万台に増やし、売上高600億円を目指すという。
日立はまた、インドでMRIや超音波診断装置などの高度医療機器を販売してきたが、こうした機器を活用し、健診から診断、治療まで一貫したヘルスケアサービスの展開を計画している。
インドでは、昨年5月にナレンドラ・モディ氏が首相に就任、経済社会改革「モディノミクス」を打ち出した。モディ政権は、「メーク・イン・インディア(Make in India)=インドでものづくりを」の掛け声のもと、外資導入を促進して製造業の振興を行おうとしている。
同社の東原敏昭社長は、2月18日にはモディ首相と会見、「モディノミクス」に基づく社会改革事業を通じてインド社会の発展に寄与すると約束した。
日立とインドの関係は古い。すでに1935年には初の海外支社としてムンバイにオフィスを開設している。80周年を迎える今年、日立はインドにおける連結売上高を2100億円に拡大することを目指している。インドにおける日立グループの人員数は、約13,000人に拡大する見込みだ。(編集担当:久保田雄城)