創業からわずか4年で世界第3位のスマートフォン・メーカーに成長したシャオミ(小米科技)の快進撃が続いている。2014年の同社スマホ販売台数は前年から227%増の6100万台、売上高は120億ドルに拡大した。
創業からわずか4年で世界第3位のスマートフォン・メーカーに成長したシャオミ(小米科技)の快進撃が続いている。2014年の同社スマホ販売台数は前年から227%増の6100万台、売上高は120億ドルに拡大した。創業者で会長兼最高経営責任者の雷軍(Lei Jun)氏は昨年11月の世界インターネット会議で、「今後5~10年で、シャオミは世界一のスマートフォン・メーカーになるチャンスがある」と発言している。
米IDCによると、14年第4四半期の中国市場スマートフォン出荷台数は1億750万台で、シャオミがその13.7%を占めてトップに立つ。
2月12日にはサンフランシスコでイベントを開催し、通販サイト「mi.com」を米国で開始し、イヤフォンやモバイル充電器などオンライン販売を始めると発表。スマホやタブレット端末を当面扱わず、ブランドの浸透に専念するという。
シャオミ快進撃の要因は、「高品質・低価格」路線だ。たとえば、昨年発売した「Mi4」は、機能はアップルのiPhoneやサムスンのGALAXYシリーズと遜色ないが、価格は半額以下に抑えられている。
なぜ、高品質・低価格が可能なのか。まず、同社は小売店舗を持たず、インターネットのみで販売店することによって、流通費などのコストを抑えている。また、販売機種を絞り込み、機種ごとの販売期間を長く取ることによって低価格を実現しているという。さらに、広告費をかけず、交流サイトなどでの口コミによって巧みにPRをしている。
「フラッシュセール」と呼ばれる期間限定販売も功を奏している。例えば、インドでは廉価モデル「紅米手机1S(Redmi)1S」を5999インドルピー(約98ドル)でネット販売したところ、わずか4秒で10万台を販売したという。
しかも、同社には端末販売で利益を上げるのではなく、オンラインストアでのアクセサリ販売やサービスで利益を上げるというビジネスモデルを目指しているという。「端末会社ではなく、インターネット企業だ」と同社が説明している所以だ。
シャオミに対しては、iPhoneのコピー商品に過ぎないという批判もある。ただ、同社では人材の獲得にも力を入れており、マイクロソフト、モトローラ・モビリティ、ヤフーなどから優秀な人材をスカウトし、競争力を確保しようとしている。(編集担当:久保田雄城)