財務省が18日に発表した2月の貿易統計速報によれば、2月の輸出額は前年同月比2.4%アップの5兆9411億円であり、輸入額は前年同月比3.6%ダウンの6兆3657億円であったことがわかった。また輸出額がアップし輸入額がダウンしたことにより、輸出額から輸入額を差し引いた貿易赤字は前年同月の8061億円赤字から大幅に改善して、4246億円赤字という結果であった。
輸出額は前年同月比2.4%アップの5兆9411億円。これで6ヶ月連続で前年同月を上回ることとなった。自動車が前年同月比8.8%アップ、半導体等電子部品が前年同月比10.1%アップ、金属加工機械が前年比14.0%アップと、それぞれ輸出額全体の数値の引き上げに寄与した。
地域別に見てみると、アメリカ向けが前年同月比14.3%アップ、欧州連合(EU)向けが前年同月比1.9%アップ。特にアメリカ向けの自動車が前年同月比18.7%アップと、景気回復の波に乗るアメリカの個人消費が全体の数値に及ぼす影響は大きい。その一方で、中国向けは前年比17.3%ダウンであり、中国の旧正月休暇が2月中旬から下旬と前年よりも遅かったために、前年同月を大きく下回ることとなった。
輸入額は前年同月比3.6%ダウンの6兆3657億円。原粗油が前年同月比54.8%ダウン、石油製品が前年同月比40.6%ダウン、液化石油ガスが前年同月比38.8%ダウンとそれぞれお大きく前年同月を下回った。これは14年後半より続いている石油価格下落による輸入価格の低下傾向による影響が大きいとみられている。
輸出額は14年9月より6ヶ月連続で前年同月比を上回っており、特に1月は前年同月比17%アップと大きく伸長しており、さらに2月も2.4%アップと15年の2ヶ月間については好調に推移している。そして現状のまま先進国を中心とした経済が好調に推移し、また原油価格に大きな変動がなければ、このまま貿易赤字は縮小していくのではないかとみられている。また財務省は3月の貿易統計について、旧正月休暇の影響が残ることから、中国などからの輸入が減少するのではないかとの見通しを示している。(編集担当:滝川幸平)