日本の貿易赤字がまたもや過去最長を更新することとなった。18日、財務省が発表した8月の貿易統計(速報)によれば、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が、9485億円の赤字であったことがわかった。こうして貿易収支が赤字となるのは、これで26ヶ月連続であり、またもや過去最長を更新することとなった。
しかし前年同月は9714億円の赤字であり、その赤字幅は縮小した。こうして赤字幅が縮小した背景には、アメリカ向けの輸出が低迷したものの、夏場の天候不順などが影響し、電力向け燃料の輸入が減少したことなどが要因として挙げられている。輸出額は前年同月比1.3%ダウンの5兆7060億円で、輸入額は前年同月比1.5%ダウンの6兆6545億円であった。
輸入額については、消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減により、5月には一時的な減少となっていたが、その後、円安やエネルギー輸入の高止まりの影響を受けて、6月以降は増加に転じていた。そして輸出は7月には3ヶ月ぶりにプラスとなっていたものの、再びマイナスに転じた。
輸出額は前年同月比1.3%ダウンの5兆7060億円と、2ヶ月ぶりのマイナス。8月としては過去5番目の水準であった。内訳を見てみると、「金属加工機械」が前年同月比23.3%アップと好調に推移したものの、「有機化合物」が前年同月比21%ダウン、「鉱物性燃料」が前年同月比16.2%ダウン、そして「自動車」が前年同月比2.9%ダウンといずれもマイナスとなった。
そして輸入額については、前年同月比1.5%ダウンの6兆6545億円と、3ヶ月ぶりにマイナス。内訳を見てみると、「通信機」が前年同月比21.3%ダウン、「石炭」が前年同月比17.4%ダウン、そして「原粗油」が前年同月比5.2%ダウンといずれもマイナスとなった。
地域別に輸出を見てみると、アメリカ向けが前年同月比4.4%ダウンと、2ヶ月ぶりにマイナス。中国向けは前年同月比0.2%ダウンと、17ヶ月ぶりにマイナスに転じた。しかしEU(欧州連合)向けは前年同月比5.6%アップと、15ヶ月連続でプラスをキープした。(編集担当:滝川幸平)