【今週の振り返り】前場安くても後場ひっくり返し305円上昇の週

2015年03月21日 20:37

 日経平均終値は107.48円高の19544.48円、TOPIX終値は+11.96の1582.46。売買高は20億株で20億株台回復。売買代金は2兆5369億円。値上がり銘柄数は1030、値下がり銘柄数は683。上昇セクターは27でその他製品、電気機器、サービス、銀行、精密機器、証券、小売など。下落セクターは6で鉱業、水産・農林、ゴム製品、卸売、ガラス・土石、情報・通信だった。

 19日の日経平均は3日ぶりの反落。17~18日のFOMCの結果は声明文から「patient(辛抱強く)」の表現を削除したが、イエレンFRB議長は記者会見で「利上げを急いではいない」と強調。NY市場は吹っ切れたように急騰しNYダウは約2週間ぶりに18000ドルの大台を回復して終値は227ドル高。利上げが6月から9月に延びる観測が出た上にイエレン議長はドル高懸念も表明し、円高が進行しドル円は一時120円を割り込んだ。チュニジアの首都チュニスの博物館でテロが発生し日本人観光客3人が死亡。前日は春闘の一斉回答日で昨年以上の賃上げを実施する企業が半分を超えるという記事が出たが、過熱感と円高と地政学的リスクが揃えばやはり29円安の19514円で始まる。2分後には一時19500円割れ。序盤はプラスにもタッチして底堅かったが、午前9時台後半からドル円が再び120円を割り込み円高を伴う先物主導の下落が到来。19500円も19400円も次々と割り込み19312円まで下落する。それでも10時台には19400円付近まで戻す反応。今がシーズンの権利取りにとって押し目はチャンスなのか? 11時台には19400円台に定着して前引けは126円安。後場も19400円台で再開。午後1時台には19500円に接近し、2時台にそれをオーバーする時間帯もあった。2月の全国百貨店売上高が消費増税後初のプラスの+1.1%と発表されていた。終値は67円安で「過熱感で調整」「投資家に気迷い」と言っても3ケタ安にはならず、押し目買いにしっかり支えられていた。

 この日は3銘柄の新規上場があった。ヒューマンウェブ<3224>が東証マザーズに新規上場し、公開価格1800円を11.6%上回る2010円の初値がついた。エスエルディー<3223>がジャスダックに新規上場し、公開価格1650円を15.3%上回る1903円の初値がついた。この外食関連2銘柄は初値がついたが、情報・通信セクターで東証マザーズに新規上場したショーケース・ティービー<3909>は公開価格1800円の2.3倍の4140円の買い気配で終了し、初値を持ち越した。新規IPOの年明け11連勝は確実。

 日経平均終値は67.92円安の19476.56円、TOPIX終値は-6.65の1575.81。売買高は22億株、売買代金は2兆9453億円。値上がり銘柄数471に対して値下がり銘柄数は1283と多く、気分は全面安。上昇セクターはその他製品、パルプ・紙、不動産、サービス、石油・石炭、小売など9業種。下落セクターは水産・農林、銀行、その他金融、食料品、保険、空運など24業種だった。

 20日の日経平均は反発。NYダウは前日の大幅高に対する利益確定売りが入り117ドル安で18000ドル割れ。NASDAQはプラスだった。為替は120円台後半で前日よりやや円安。日経平均は3円高の19479円で始まり、序盤は前日終値をはさんで小幅もみあい。その後は水準を下げて午前9時53分に19416円まで下げるが、大勢は19440円をはさんだ小動き。下げても前日比-50円以内の小幅安水準まで必ず戻るのが今週の傾向で、押し目買い意欲は旺盛。11時台にはプラスに再浮上し、前引けは10円高の19486円だった。

 後場は下げてマイナスで再開し、やはり利益確定売りの金曜日なのか午後1時台はほぼマイナス圏で推移していたが、2時ジャストにプラスに浮上。ウォールストリートジャーナルが「日本の年金基金が基本ポートフォリオの変更を発表する」と報じる(大引け後に年金運用4団体が共通の運用ポートフォリオを正式発表)と海外投資家が色気づき、2時台はどんどん高値を取って19500円台に乗せ、2時51分に19565円の昨年来高値を取る。この時間帯、トヨタは上場来高値の上値追いを続け、東芝<6502>は高値を更新しメガバンクもプラスに転じるなど主力銘柄が大引けにかけて高くなる展開。日経平均もTOPIXもほぼ高値圏で、2000年4月14日以来約15年ぶりの水準で終えた。

 前日、東証マザーズに新規上場したショーケース・ティービー<3909>に初値がつき、公開価格1800円の2.93倍の5290円。これで新規IPOは年明け11連勝が確定。来週は10銘柄(TOKYO PRO市場を除く)が新規上場するちょっとしたラッシュになる。

 日経平均終値は83.66円高の19560.22円、TOPIX終値は+4.70の1580.51。売買高は21億株、売買代金は2兆6800億円。値上がり銘柄数は1109、値下がり銘柄数は612。電気・ガス、小売、海運、証券、サービス、倉庫、輸送用機器など23業種が上昇し、その他製品、鉄鋼、石油・石炭、空運、化学、鉱業など10業種が下落した。

 週間の星取は3勝2敗で、13日終値から305.97円上昇し6週連続のプラスで今週の取引を終えた。週間騰落がマイナスだった週は2月第1週までさかのぼる。(編集担当:寺尾淳)