【今週の振り返り】原油安にスイスショックで333円も下落した週

2015年01月17日 20:24

画像:リクルート上場 今年最大の上場案件で注目される同社の今後☆

昨年10月は日銀の突然の追加緩和。今週、スイス国立銀行は突然の通貨政策変更。中央銀行の突然の決定で世界のマーケットは泡を吹く。

 13日の日経平均は4日ぶりの反落。TOPIXは3日ぶりに反落した。東京市場が3連休中のアメリカ株の大幅下落、為替のドル円の円高が117円台後半まで進み、さらにゴールドマンサックスが原油価格の見通しを45ドルと想定したため原油先物価格が大きく下落。リスクオフで長期金利(10年物国債利回り)は一時、過去最低の0.255%まで低下した。日経平均は前場から後場の2時台まで17000円を割り込んで推移した。内閣府が発表した12月の景気ウオッチャー調査の結果は、現状判断指数は+3.7ポイントの45.2、先行判断指数は+2.7ポイントの46.7と改善していた。終盤、ドル円レートは円安方向に戻して118円台を回復。日経平均も17000円台を回復して終えた。

 日経平均終値は110.02円安の17087.71円、TOPIX終値は-5.89の1374.69。売買高は22億株、売買代金は2兆2479億円。値上がり銘柄数は542、値下がり銘柄数は1222だった。上昇は11業種で海運、医薬品、陸運、空運、サービス、食料品など。下落は22業種で鉱業、保険、その他金融、石油・石炭、小売、ガラス・土石、建設などだった。

 14日の日経平均は続落。外部環境は原油先物価格もNYダウも下げるばかりで、銅の先物価格まで下落した。為替のドル円も相変わらずの円高基調で17000円を割り込んで始まる。前場は下げ幅をどんどん拡大するばかり。後場は少し値を戻してもドル円が116円台に突入してはとてもかなわず、317円安の16770円に沈む時間もあった。

 日経平均終値は291.75円安の16795.96円、TOPIX終値は-16.71の1357.98。売買高は22億株、売買代金は2兆2875億円。値上がり銘柄数は365、値下がり銘柄数は1413。上昇セクターは陸運、空運、鉱業の3業種。非鉄金属、鉄鋼、保険、石油、金属製品、卸売、その他製品など30業種が下落した。

 15日の日経平均は3日ぶりに反発。欧米の株式市場はマイナスで終わったが、原油先物価格の下げ止まり、為替のドル円レートの円安反転、インドの利下げなど外部環境が好転をみせ、続落後の押し目買いも入って前場からプラスで始まり、それが先物の買い戻しを誘って現物も値を切り上げていく展開。後場も引き続き堅調で、もみあいながらも17100円台に乗せて大引けを迎えた。

 日経平均終値は312.74円高の17108.70円、TOPIX終値は+18.62の1376.60。売買高は25億株、売買代金は2兆3303億円。値上がり銘柄数は1513、値下がり銘柄数は265。値上がりセクターはゴム製品、建設、鉱業、パルプ・紙、倉庫、金属製品など30業種。値下がりセクターは非鉄金属、証券。変わらずは鉄鋼1業種だった。

 15日、スイス国立銀行は突然、約3年続けてきた「1ユーロ=1.20スイスフラン」というスイスフランの対ユーロレートの上限の撤廃と、それを維持するための無制限介入の中止を発表した。スイスフランは10分間で約40%という暴騰の末、ユーロ、ドルなど世界の主要通貨との為替取引が成立しなくなる事態に至った。為替市場の混乱は日本時間の16日午前まで続き、午前11時台にはドル円は115円台後半、ユーロ円は134円台後半まで円高が進行。ヨーロッパ市場はおおむね高かったが、NYダウは106ドル下落した。

 この「スイスショック」で16日の日経平均は大幅反落。前場は円高の進行につれて値を下げ、後場の午後0時46分には12月の最安値16672円(17日)を下回り、黒田サプライズ緩和第2弾で急騰した10月31日の高値16533円に迫る516.13円安の16592円まで下落した。しかし、後場の1時台、2時台は先物に買い戻しが入り、それにつれて日経平均現物も上げ幅をどんどん圧縮していき、終盤は16800円台まで回復してほぼ高値引けで終えて翌週に希望をつないだ。

 日経平均終値は244.54円安の16864.16円、TOPIX終値は-12.87の1363.73。売買高は27億株、売買代金は2兆7143億円。値上がり銘柄数は206、値下がり銘柄数は1615。プラスのセクターはゴム製品、非鉄金属、電気・ガスの3業種。マイナスのセクターは海運、化学、その他製品、水産・農林、倉庫、パルプ・紙など30業種だった。

 13~16日は1勝3敗。9日終値から333.57円下落して今週の取引を終えた。(編集担当:寺尾淳)