【今週の振り返り】海外に波乱要因の種尽きず254円下落した週

2014年06月29日 00:35

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太平の「ゴルディロックス」の眠りを覚ます3匹のクマ。シリア、ブラード、アルゼンチン。

 前週末20日のNYダウは6日続伸して25ドル高で、終値は17000ドルの大台まであと53ドル。NASDAQ総合指数は8ポイント高と反発。NYダウとS&P500は史上最高値を更新した。23日朝方の為替レートは、ドル円が102円台前半、ユーロ円が138円台後半で、少し円安に振れていた。

 日経平均は70.05円高の15419.47円で始まる。TOPIXもプラスでスタート。午前9時3分に15433円の高値をつけるが、9時台はじわじわ下落して9時39分に15371円まで下げる。少し戻して15390円プラスマイナス10円という水準で安定するが、TOPIXはマイナスになったまま。中国市場は上海も香港もマイナスで始まるが、日経平均が15400円台を回復した10時45分に中国の6月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表された。前回の49.4も市場予測の49.7も大きく上回る50.8で、6ヵ月ぶり50オーバーのポジティブサプライズ。豪ドルは急伸し上海はプラスに転じ、日経平均も10時55分に15442円まで上昇。TOPIXもプラスに変わる。それでも数分後には利食い売りに押され11時には15400円割れまで急落する。過熱感に加え「新・成長戦略」の閣議決定前なので上値はすかさず抑えられた。週明けのNY市場を確かめたいという月曜日ならではの事情もあり。11時台は15400円そこそこの水準で推移し前引は15405円だった。

 昼休み中にドル円が102円を割って円高が進行し、後場は15400円を割り込んで再開する。TOPIXは再びマイナス。日経平均も午後0時38分に瞬間マイナスにタッチする。その後は15360円プラスマイナス10円前後の小幅高水準が続く。1時台後半にマイナスに落ち、1時50分に15335円まで下がっても2時台にはプラスに戻した。日経平均は小幅高の小動きが続いた後、2時30分前に再びマイナスにタッチしたが、終盤では小幅プラスの水準に戻した。しかしTOPIXは後場一貫してマイナスでNTねじれ現象が出現した。日経平均終値は19.86円高の15369.28円と小幅反発し日中値幅は107円。TOPIX終値は-1.44の1267.48と続落した。売買高は19億株、売買代金は1兆8216億円で、前週18日以前の薄商いの水準に舞い戻った。

 プラス上位は石油・石炭、非鉄金属、金属製品、空運、精密機器、鉄鋼など。マイナス下位は情報・通信、証券、電気・ガス、パルプ・紙、輸送用機器、陸運などだった。

 23日のNYダウは9ドル安で7日ぶりに小反落。NASDAQは0.63ポイントのわずかな上昇だった。マークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は2010年5月以来の高水準で、中古住宅販売件数が市場予測を大幅に上回る4.9%増と経済指標はおおむね好調でも、ユーロ圏PMIの不振を受けたヨーロッパ株の軟調や高値警戒感による利益確定売りに上値を抑えられ、マイナス圏で終日、方向感を欠いた。24日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が138円台半ばで円高が進行していた。

 日経平均は68.78円安の15300.50円と反落で始まった。TOPIXもマイナス。序盤急速に下落し、午前9時16分に15252円で底を打って9時台のうちに15300円超まで戻す。10時台に再び15270円近辺まで下げ、その後は11時までおおむね15270~15300円のレンジで動く。上海市場はマイナス、香港市場はプラスで始まる。11時台には15300円を突破して11時8分には15329円まで上昇し、前引は15313円だった。

 後場はこの日の高値を取って再開。午後0時40分すぎにはプラスに浮上した。為替に大きな変化はなく「新・成長戦略」への期待感で主力株に買いが入って値を戻した模様。しばらく小幅高水準で推移したが、1時30分頃から一段高になり1時37分に15424円まで上昇する。その後もマイナスになることはなく、おおむね前日終値15369円と15400円の間の狭いレンジの値動きが大引けまで続く。終値は6.96円高の15376.24円と小幅続伸。日中値幅は172円だった。TOPIXは+1.02の1268.50で3日ぶりに反発。売買高は20億株、売買代金は1兆8650億円で、前日よりも商いは増えていた。

 プラス上位は水産・農林、食料品、空運、電気・ガス、繊維、小売など。マイナス下位は鉱業、不動産、パルプ・紙、鉄鋼、輸送用機器、ゴム製品などだった。

 24日のNYダウは119ドル安。NASDAQ総合指数は18ポイント下落した。消費者景気信頼感指数が6年5カ月ぶりの高水準で新築住宅販売件数も市場予測を大きく上回り、17000ドルに接近していたNYダウを撃ち落としたのが「シリア軍機」。イラク西部を空爆し50人死亡の報道が伝わると、イラクの内戦にシリアが介入する地政学的リスク拡大を懸念して債券買い、株式売りが起き、アメリカの長期金利は2.6%を割りNYダウは3ケタ安で終えた。ドル円は一時102円台に乗っていたがリスク回避の円買いで円高に振れ、25日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が138円台後半で、前日夕方とあまり変わらない水準だった。