三菱商事と千代化、フィリピンで新空港建設受注

2015年03月23日 07:12

 三菱商事<8058>と千代田化工建設<6366>は20日、フィリピン政府が同国中部のボホール州に新たに開業させる「新ボホール空港」の建設を受注したとの発表を行った。受注金額は約110億円で、2017年9月にボホール州のパングラオ島に建設される予定だ。こうして三菱商事と千代田化工建設が共同で空港を建設するのは、モンゴルの国際空港に続いて2つ目となる。

 今回、三菱商事と千代田化工建設により受注が発表された「新ボホール空港」は、フィリピン中部のボホール州都タグビララン市にある今の空港に代えて、対岸にあるパングラオ島に新空港を設立するもので、国際基準を満たし、かつ今後の旅客増加にも対応することのできる空港にするとしている。またこの空港は国際協力機構(JICA)による円借款事業として建設される。

 フィリピンは7000あまりの島々からなる島嶼国であり、航空輸送が重要な移動手段となっている。そしてフィリピンの旅客輸送量は年々増加しており、新空港が建設されるボホール島でも航空需要が急増している。そしてその傾向は今後も続き、さらに需要が増加することが予想されるものの、今の空港を拡張することは環境社会面の問題などから困難との判断から、今回の新空港建設が決定された。

 三菱商事と千代田化工建設は約2000メートルの滑走路、また延べ床面積約8000平方メートルの旅客ターミナルビル、そして手荷物搬送システムなどの特殊設備、暖房・給排水・配電設備の建設を請け負う。さらには空港の屋根には太陽光パネルを設置し、環境保全にも配慮する。15年3月中にも着工され、事業費用の85%を日本政府による円借款にてまかなわれる。

 新空港が建設されるパングラオ島や、同島の北東にあるボホール島を含むボホール州は、リゾート地としても人気が高く、最近では多くの旅客が訪れている。ボホール州都のタグラビン市にある空港の年間旅客数は、01年には約4万人であったが12年には75万人にまで増えている。

 今回の空港建設にはほかの大手ゼネコンも応札していたが、価格、技術力、またアジアでの空港建設の実績などが評価され、三菱商事と千代田化工建設が受注するに至ったとみられている。(編集担当:滝川幸平)