三菱商事、ミャンマー企業の主力事業に日本企業として初出資

2015年04月11日 19:55

 三菱商事<8058>は3月30日、ミャンマーの複合企業「キャピタル・ダイヤモンド・スター・グループ」(CDSG)の食品事業会社「ルビア・リミテッド」に出資することで合意したと発表した。今後ルビアに約250億円投資する。ミャンマー企業の主力事業に出資するのは日本企業として初めて。

 ルビアは、ミャンマー国内最大シェアを持つ製粉、コーヒーを軸とした食品製造販売事業を手がけている。三菱商事は、日本で確立した原料調達から小売までの「食の垂直統合モデル」のノウハウをルビアに提供し、事業強化を狙う。

 ミャンマーでは、近年の開放政策に伴い、様々な分野で規制緩和が進行している。こうした規制緩和を受けて、三菱商事は今回同国の投資委員会から承認を得ることに成功した。

 三菱商事は非資源事業の強化を進めており、食糧・食品はその有力分野。すでに。同社はインドネシアで食品流通大手アルファグループと合弁会社を設立し、食品の製造販売を強化している。こうした経験を生かしてミャンマーでの食品事業に取り組む。食文化が急速に変化しつつあるミャンマーでは、加工食品の需要拡大が見込まれている。

 CDSGは約6500人の従業員を抱える複合企業で、食品関連事業だけではなく、農業関連事業、小売事業、不動産開発事業、自動車輸入事業など、幅広いビジネスを展開している。三菱商事は、今後、農産物の輸出や肥料事業など、CDSGの既存事業への参画も認められる可能性があると期待している。

 三菱商事は、2013年10月にはミャンマーで金融、不動産、自動車関連事業などを展開する「サージパン&アソシエイツ」(SPAグループ)と包括提携し、自動車のサービスショップやエレベーター関連事業などを進めてきたが、昨年7月には、SPAグループとともに同国のタイヤ事業にも参入している。

 消費市場として存在感を増すアジアを軸にグローバル展開を加速するという同社の戦略が、加速しつつある。(編集担当:久保田雄城)