先日発表された2014年9月中間連結決算では増収増益と好調に業績を伸ばしたKDDI<9433>だが、さらにその業績を伸ばすべく、今、多くの日本企業が進出し続けている東南アジア地域のミャンマーにて住友商事<8053>と手を組み直営店を開設したとの発表を行った。
14日、KDDIと住友商事はミャンマー情報通信省の傘下にある国営郵電公社(MPT)と携帯電話関連商品を販売する初の直営店をヤンゴン中央郵便局内に開設したとの発表を行った。直営店では国営郵電公社の職員が顧客対応を行い、情報を書き込んだSIMカードやプリペイドカードといった携帯電話の関連商品を販売する。KDDIと住友商事は今後、直営店や顧客からの問い合わせに対応するコールセンターの拡充をはかるとしている。
国営郵電公社の通院事業にはKDDIと住友商事の合弁会社であるKSGMが参画していて、9月1日よりSIMカードの一般販売を開始。さらにはコールセンターの強化、ブランドのリニューアル、新しいロゴの発表なども行っている。そしてSIMカードは9月単体で100万枚を超える売り上げを上げており、年内で500万枚販売したいとしている。
現在ミャンマーでは高い率で携帯電話が普及しており、13年の時点でその普及率は東南アジアの中でも約10%と高水準だ。またミャンマー政府は積極的にIT政策を推進する方針を示していることもあって、同国は通信業界から熱い視線を集めている。
そして13年には通信事業者免許の新規参入オークションが行われ、これにKDDIも参加したものの、結果ノルウェーとカタールの事業者が落札したという経緯がある。そして国営郵電公社はこれまでミャンマーにおいて郵便・通信事業を独占していた国営企業であり、携帯事業も独占していたが、ミャンマー政府はこれを市場開放することで約10%の携帯電話普及率を16年までに80%にまで引き上げたい考えだ。KDDIはこの国営郵電公社の基地局整備と日本で培った顧客サービスノウハウを武器に、新規参入したノルウェーやカタールの事業者に対抗したい考えだ。(編集担当:滝川幸平)