たばこの販売不振が止まらない。たばこはコンビニエンスストアの主力商品でもあるだけに、その販売の回復にコンビニ業界も期待しているが、その願いは残念ながら今のところ叶いそうになり気配だ。また昨今の禁煙ブームを考えると、しばらくはたばこにとって苦難の時代が続くものと思われる。特に若い世代で「たばこ離れ」が進行しており、たばこメーカーだけでなく、喫煙具などを販売している企業も頭を悩ませているという話だ。
そして10日、日本たばこ協会が2014年度の国内たばこ販売量を発表。それによれば、たばこ販売量は前年度比9%ダウンの1793億本であり、こうして前年度を下回るのは2年ぶりのこととなる。また3月単月の販売量は前年同月比26.5%ダウンの150億本と、こちらについては6ヶ月連続でもマイナスとなった。前年同月には消費税増税前の駆け込み需要が発生していたこともあり、その反動でマイナス幅が拡がる結果となった。そして14年度のたばこ販売額は、前年度比5.7%ダウンの3兆8418億円であった。
また同日、日本たばこ産業<2914>(JT)が15年1~3月と3月単月のたばこ販売量とたばこ販売額を発表。それによれば、15年1~3月の国内紙巻きたばこ販売量は前年同期比16.2%ダウンの255億本であり、販売額は前年同期比13.5%ダウンの1442億円であった。また3月単月の国内紙巻きたばこ販売量は、前年同月比29.3%ダウンの89億本であり、販売額は前年同月比26.8%ダウンの507億円であった。2月単月の販売量は前年同月比7.6%ダウン、販売額は前年同月比4.7%ダウンであったが、それと比較するとそのマイナス幅が大きくなっている。15年1~3月のシェアが59.9%であり、3月単月のシェアは59.8%で、前期の累計シェアの60.4%をやや下回った。
ただし日本たばこ協会の結果と同様に、前年3月には消費税増税前の駆け込み需要が発生したこともあり、その反動でマイナス幅が拡大したものとみられる。
日本たばこ協会、日本たばこ産業、ともに3月の結果については消費税増税前の駆け込み需要が大きく影響していることは間違いないだろうが、だからと言ってこの落ち込みが一時的なものではないことも確かだ。日本たばこ産業が去年の7月に発表した喫煙者率調査によれば、14年の喫煙者率は男性が30.3%、女性が9.8%、全体では19.7%と、喫煙者率が全体の2割を切っているこの状況がそのことを示している。(編集担当:滝川幸平)