カゴメ、米国食品会社を買収。米国市場に再進出

2015年04月17日 07:24

 飲料や食品、調味料の大手総合メーカーであるカゴメ<2811>が15日、米国の食品会社プリファード・ブランズ・インターナショナルを買収すると発表。プリファード・ブランズ・インターナショナルは一般消費者向けにエスニック料理の加工食品などを販売しており、カゴメとしては、アメリカにて急速に需要が伸びているエスニック食品分野を通じて、アメリカ市場に参入したい考えだ。

 カゴメによれば買収額は約96億円で、5月15日にプリファード・ブランズ・インターナショナルの株式70%を取得するとしている。カゴメはこれまで、海外の市場では外食向けのトマトソースなどの業務用食材の販売を行っていたが、今回の買収によりプリファード・ブランズ・インターナショナルの販路を活用して、一般向けに野菜飲料の販売にも注力していくとしている。

 プリファード・ブランズ・インターナショナルはナチュラル(自然)、ウェルネス(健康)、コンビニエンス(生活利便性)を強みとし、また高いマーケティング力を持っており、アメリカの家庭用エスニック簡便食品カテゴリーにおけるシェアは同国トップの61%。カゴメとプリファード・ブランズ・インターナショナルは今後、自然や健康を基本とする植物性食品や飲料の保有資源を活かし、一般消費者に訴求できる商品を共同で開発していく。

 カゴメによる海外企業の買収は、今回で5件目となる。カゴメによれば、今回のプリファード・ブランズ・インターナショナルが最も大きな買収額になるという。カゴメはすでにアメリカで外食向けのトマトソースなどの販売を行っているが、一般向けの食品事業については販路開拓にかかるコスト増を理由に、2008年に事業撤退したという経緯がある。中国や台湾、タイなどでは一般向けに野菜飲料などの食品展開を行っているカゴメだが、プリファード・ブランズ・インターナショナルが持つ販路を活用し、再度アメリカの一般向け市場に進出し商機を見出そうとしている。(編集担当:滝川幸平)