電機メーカー大手のパナソニック<6752>が28日、2015年3月期の連結決算を発表。それによれば、自動車関連事業などが好調に推移したこともあって、営業利益が20%以上アップした。
パナソニックの発表によれば、15年3月期の連結決算は、売上高は前期比0.3%ダウンの7兆7150億円とわずかに減収、そして営業利益は前期比25.2%アップの3819億円、最終利益は前期比49%アップの1794億円と大きく増益となった。液晶テレビや半導体など、不採算事業の構造改革を推し進めたことの効果、さらには成長分野と位置付けている自動車向けの電池事業などが好調に推移したことなどが影響して、業績が拡大した。また営業利益が前期比25.2%アップの3819億円となったことで、今期(16年3月期)までの目標としていた売上高営業利益率5%を前倒しで達成。パナソニックは、円安の追い風もあることなどから、今期は5.4%を目指したいとしている。
自動車・産業関連分野の売上高は前期比2%アップの2兆7825億円で、営業利益は前期比53%アップの1057億円と、パナソニックの業績拡大を支える大きな要因の1つとなった。パナソニックの主要分野の中では、唯一1000億円を超えている。そのほか白物家電の売上高は前期比横ばいの1兆7697億円で、営業利益は前期比37%アップの405億円と大きく増益。またデジタル家電やIT機器などのAVCネットワーク事業も売上高は前期比ほぼ横ばいの1兆1543億円で、営業利益は前期比45%アップとこちらも大幅に増益をはたした。
そして同日に発表した16年3月期の連結業績予想は、売上高で前期比3.7%アップの8兆円、営業利益で前期比12.6%アップの4300億円、純利益で前期比0.3%アップの1800億円を見込んでいる。中国向けエアコン販売の回復をはかるほかに、自動車向けの電池事業の好調さの維持に努めるとしている。
さらにパナソニックは利益優先から成長優先に舵を切るとし、18年度に売上高10兆円を達成するために、企業のM&A(合併・買収)も含めた戦略的投資を推し進めていくという方針も示した。(編集担当:滝川幸平)