アドクオリティが、人工知能をベースにした画像検索エンジン「Ingram(イングラム)」の開発に乗り出した。
従来の検索では、検索したい単語を入力する必要があった。そのため、検索したい事象の名前がわからないと、検索できなかった。これに対して、同社が開発する検索エンジンでは、画像データから様々な検索が可能になる。
人工知能が人間の頭脳に近い形で画像データを認識し、その事象に関わる情報を検索できる。雑誌やテレビを見ていて、気になった商品や料理があったが、その名前がわからない時、それを撮影すれば、同一商品やそれと類似した商品に関する情報を集めてくれる。
同社は、ネットユーザーが使ったデータを蓄積し、その集合知を元に人工知能が自律学習するシステムを開発した。
アドクオリティは、証券トレーダーやシンガポールでの起業経験を持つ松田総一CEOが2012年12月に設立した。同社は、KDDI<9433>のベンチャー支援プログラム「ムゲンラボ」に7期生として参加し、今年1月に特別賞「New Lifestyle賞」を獲得している。
ムゲンラボは7期生から三井物産<8031>、コクヨ<7984>などの大企業が支援の枠組みに加わり、セブン&アイホールイディングス<3382>がアドクオリティの支援を担当した。
この結果、アドクオリティは、セブン&アイグループでファッション通販を展開するニッセンから商品のデータベースの提供を受けることができた。
アドクオリティは今後、さまざまな企業と連携し、人工知能を生かしたサービスを広げていく。例えば、余った食材を示すと、それを活用して調理できる料理を提案してくれる「レシピサービス」、体調を崩した際にその症状を示すと、医者にかかる必要があるかどうかを教えてくれるサービスなどの開発を進めている。
「Ingram」が順調に動き始めれば、ネットでの同社の存在感が一気に高まりそうだ。(編集担当:久保田雄城)