夜勤・交代制勤務や不定休の家族がいるために家族間で生活時間が揃わない「時差家族」が多く存在する。厚生労働省実施の平成19年労働者健康状況調査によると夜勤・交代制勤務者は全労働者の約 25%を占めている。社会的な24時間サービス提供ニーズの高まり、夫婦共働き率の増加など、今後も「時差家族」の増加が予想される。
これを受け、積水化学工業<4204> 住宅カンパニーの調査研究機関である住環境研究所は、時差家族の住まいと暮らし満足度」調査を実施した。今回の調査では「時差家族」と「時差なし家族」の満足度比較から、家族間時差が暮らしに及ぼす影響を確認し、その負担を軽減するための住まい選びのポイントを探った。
その結果、持ち家世帯のうち「家族に夜勤あり」10%、「家族で休日が揃わない」34%とあわせて4割強が家族間で生活時間が揃わない時差家族であることがわかった。時差家族の「注文住宅」居住は「建売、マンション」居住よりも「満足、まあ満足」層が7~18%多くなっていた。時差なし家族の「注文住宅」と「建売、マンション」の満足度差3~4%と比べて差が大きく、時差家族は時差なし家族に比べて既成の住まいが適合しにくいと分析している。
また、家族間時差に対する負担感(大いに感じる、感じる、やや感じる計)は「家族に夜勤あり(52%)」、「休日が揃わない(35%)」、「時差なし家族(17%)」の順で高く、回答者属性では時差家族の女性がより高い負担感を感じていた。女性は夜勤・交代制勤務者や土日勤務者といった時差当事者ではなくても高い負担感を感じており、家族間時差の影響を受けやすいことが考えられるとしている。
さらに、時差家族は就寝室を就寝専用とした方が衣類収納や着替え室などと兼用するより満足度が高くなる。就寝以外の用途と就寝空間の切り離しが満足度向上のポイントになる。時差家族で太陽光発電を設置していると、未設置と比べて「満足、まあ満足」層の割合、5月または6月の1カ月分の光熱費総額1万円未満の割合が倍となり、5割前後になるという。時差家族の経済性負担軽減において、太陽光発電の設置は有効だとしている。(編集担当:慶尾六郎)