犯罪に悪用される怖れ 年金機構問題で集中審議

2015年06月03日 19:42

 民主党の山井和則衆議院議員(党ネクスト厚生労働大臣)は日本年金機構の保有する個人情報125万件が流出したことに「基礎年金番号に加え、氏名、生年月日、住所も流出していることから、年金手続きのなりすましだけでなく、振り込め詐欺などの犯罪に悪用される怖れがある」とし「国民の生活と財産を脅かす深刻な事態で、年金行政の責任者である厚労大臣は最優先でこの問題に対処すべきだ」との談話を発表した。

 3日の衆院厚労委員会は労働者派遣法法案の審議をやめ、日本年金機構からの個人情報流出問題について集中審議を行うことになった。

 山井議員は「機構がインターネットに繋がったパソコンで年金情報を扱っていたという個人情報管理の不備。内規に反して、約55万件の個人情報にパスワードを設定していなかったことも明らかになっている。旧社保庁のいい加減な仕事ぶりが未だに改まっていないことを物語っている」と問題視した。

 また山井議員は「機構は5月8日にウィルス感染を把握したものの、十分な対策を講じなかったため流出を拡大させた可能性がある」とした。また「厚労大臣は5月28日に事実を把握していながら、数日間も公表しなかった。機構、厚労省の怠慢、不手際は許し難い」としている。

 このため「民主党として、国会審議などを通じて、厚労大臣の責任を追及するとともに厚労省と機構に対し問題の全容解明、対象者に速やかに謝罪すること、対象者が犯罪等の被害に遭わないよう万全の対策を講じること、再発防止策を確立することを求める」とした。(編集担当:森高龍二)