安倍晋三総理は産業競争力会議の課題別会合(雇用・人材政策議論の場)で「今後、人的資本への投資が重要課題となる」とし「今後の人材育成は既存の職種やポストでなく、個人に着目し、その意志と選択に基づき、いかなるキャリアパスが可能かを診断し、個人に応じて必要な能力開発を支援する方向に転換する」との考えを強調した。
安倍総理は「これまでの人材育成策は雇用政策と教育政策に分かれていた。今後は政府を挙げ人材改革に取り組んでいく」とし「教育の分野では実社会のニーズに合わせた実践的職業教育を行う『新たな高等教育機関制度』を創設し、学校間の競争を促していく」考えを語った。
この日、厚労省と文科省合同のパッケージが示され「我が国の経済成長や労働生産性の向上を支える人材の育成を重視する大学等の層を厚くし、働き手が自身のキャリアアップのためにいつでも学び直しを行うことができる環境を整備する」方向性が示された。
その一環として「職業実践力育成プログラム」認定制度を創設するとしている。これは大学、大学院、短期大学、高等専門学校での実践的・専門的なプログラムを文部科学大臣が認定するもので、高等教育での職業人養成機能の強化を目指す。
これには「社会人の学び直しの選択肢の可視化、大学等で社会人や企業等のニーズに応じたプログラムの提供促進、企業等の理解促進を図り、大学等で社会人が職業に必要な能力向上を図る機会を拡大する」狙いもある。(編集担当:森高龍二)