ソニー<6758>は4日、2016年度~2020年度のグループ環境中期目標 「Green Management(グリーンマネジメント)2020」を策定したと発表した。この中期目標では、環境負荷を低減するための様々な施策を推進するという。
まず、エレクトロニクス事業では、製品の年間消費電力量を2020年度までに平均30%削減(2013年度比)する。そのために、製品開発や設計段階より環境配慮を追求し、テレビなどの主要製品の消費電力を大幅に削減する。また、今後デバイス分野での生産量増加が見込まれる製造事業所においても、製造設備の高効率化や製造現場における積極的な環境負荷削減活動を推進し、製造および非製造事業所から排出される温室効果ガスを5%削減(2015年度比)する。
エンタテインメント事業においては、コンテンツと配信ネットワークを活用することにより、全世界の数億人に向けて、持続可能な社会について啓発し、環境に配慮したアクションを促す方針だ。
また、ソニーにおける施策にくわえ、ソニーと取引関係にあるステークホルダーを含むバリューチェーン全体での環境負荷低減の働きかけに取り組む。取引額の大きい製造委託先の温室効果ガス排出量や水使用量、廃棄物発生量を把握すると同時に、それらの削減に対する協力を求めるという。特に温室効果ガス排出量や水使用量においては、原単位で年率1%削減を働きかける方針だ。さらに、主要な部品調達先には、温室効果ガスや水使用量の自主削減目標の策定と協力を求め、より一層の環境負荷低減につなげていく。
これまでソニーグループでは、事業を行っている地域ごとの特性に合わせて、太陽光パネルの設置や再生可能エネルギー証書スキームの活用など、さまざまな形で再生可能エネルギーを導入し、オペレーションにかかる環境負荷を削減してきた。日本では2001年に「グリーン電力証書システム」を電力会社と共同で開発、欧州では2008年から事業所の稼働に必要な電力を100%再生可能エネルギーでまかなっている。
2020年度に向けても、再生可能エネルギー証書等の利用を通じて、事業所から排出するCO2の30万t相当の削減(2015年度比)を狙う。(編集担当:慶尾六郎)