行政府の憲法解釈で可能な範囲内のものと反論

2015年06月10日 17:37

 中谷元防衛大臣は9日の記者会見で、4日の衆院憲法審査会で与党側の参考人まで政府の安保法案が憲法違反と判断したことに「昨年の閣議決定はこれまでの憲法第9条を巡る議論との整合性を考慮したもので、行政府による憲法解釈として、可能な範囲内のものと考えている」と改めて「違憲との指摘は当たらないものと考えている」と反論した。

 中谷防衛大臣は「昨年7月の閣議決定は安保法制懇で有識者に検討いただき、その報告書の提出を受けて、与党協議会で濃密な協議を踏まえて行った」とし、そのうえで「まず、わが国を取り巻く安全保障環境が客観的に大きく変化をしているという現実を踏まえ、従来の憲法解釈との論理的整合性と法的安定性に十分留意し、従来の政府見解における憲法第9条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための合理的な当てはめの帰結を導いた」と安保法案は憲法の枠内にあると強調した。

 また5日の衆議院安保特別委員会で安保法案について「現在の憲法をいかに法案に適応させればいいかという議論を踏まえて閣議決定した」と発言をしたことの趣旨は「閣議決定で示された憲法解釈の下で法案を作成し、閣議決定をして、国会に提出させていただいたという意味」と説明した。

 記者団から「どうやって今の憲法を法案に合わせるかという(国会での)発言は言い間違いではないのか」と再度問われると「憲法があって、その範囲の中で法案作成をしていくという意味。憲法の下で法案を作成していくという意味」と強調した。(編集担当:森高龍二)