【今週の振返り】2万円の大台割れも喫して232円下落した週

2015年06月20日 20:42

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FOMCはスッキリせずに通過。18日にはとうとう2万円を割り、日銀会合は期待もされず、いつも通り。12連騰の貯金は4割目減りした。

 19日の日経平均は5日ぶりに大幅反発。NYダウは180ドルの大幅高で3日続伸し18000ドル台回復。ユーロ圏財務相会合でギリシャ問題の進展はなくてもドイツDAX指数は大幅高。消費者物価指数(CPI)は+0.4%で市場予測を下回り、1~3月期の経常収支の赤字額は+9.9%と3四半期連続で赤字が拡大したが、FOMCが9月利上げを明言せずハト派色を示したことが改めて好感された。TPA法案は下院で再可決。フィラデルフィア連銀製造業景況指数もCB景気先行指数も市場予測を上回る数値で、新規失業保険申請件数も改善。NASDAQは史上最高値を更新した。為替のドル円は123円近辺。CME先物清算値は20120円だった。

 日経平均は161円高の20152円で2万円の大台を回復して始まる。TOPIXも大幅上昇でスタート。午前9時8分に20194円まで上がるが、そこから下落して20100円を割り込み、プラス圏だが上値は重い。それでも9時33分の20075円を底に急回復し20100円台後半まで戻す。今週はこうした底堅い「V字反発」があまり見られず、ヘタれてズルズルと地すべり的に下落するパターンが目立っていたから、来週に向けて好ましい兆候。10時台にかけては20100円台後半で徐々に値を刻みながら上昇するが、日銀会合の結果発表待ちに上海市場の軟調も影響したのか11時台は20150円前後で停滞し20200円に届かない。前引けは161円高の20152円だった。

 午後0時すぎに日銀の金融政策決定会合の結果が発表された。大方の予想通り、マネタリーベースを年間80兆円に相当するペースで増やす金融市場調節を続ける「金融政策現状維持」。反対は〃反逆のカリスマ〃木内登英審議委員1人だけで、景気見通しは据え置き。後場は20164円と高めに再開するが、1時になる前に20100円近辺まで押し下げられる。日銀会合を通過しても上海市場が軟調で上値が重い。為替は123円前後で動きに乏しい。1時台前半は20100円台前半で小動きし、後半は20100円台後半まで切り上がる。5月の粗鋼生産量は-7%で9カ月連続マイナス。5月の全国百貨店売上高は訪日外国人のインバウンド消費効果もあり+6.3%で2カ月連続のプラス。来週に希望をつなぐような上昇が現れて2時台には20200円に接近するものの、20194円の高値の更新ならず。利益確定売りの金曜日でもあり、終盤は電池が切れたようになり183円高の20174円で終了。TOPIXは4日ぶりのプラスで終えた。

 前日、初値がつかなかったデジタル・インフォメーション・テクノロジー(DIT)<3916>は、公開価格1300円に対し10時27分、3.5倍の4500円の初値がついた。終値はストップ高の5200円で高値引けとヒートアップした。約1ヵ月半ぶりに再開した今週の4件の新規IPOは、セカンダリー狙いの投資家が首を長くして待っていたのか「初値>公開価格」4連勝。そのうち3件は初値を翌日に持ち越す人気ぶりだった。新規IPOは6月中にまだ6件ある。

 日経平均終値は183.42円高の20174.24円、TOPIX終値は+14.35の1631.01。売買高は24億株、売買代金は2兆9610億円。値上がり銘柄数は1368、値下がり銘柄数は409。28業種が値上がりし、その上位は繊維、ゴム製品、海運、パルプ・紙、水産・農林、食料品、電気機器など。値下がりは鉱業、電気・ガス、石油・石炭、医薬品、保険の5業種だった。

 今週の星取は1勝4敗と負けがこみ、前週末12日の20407.08円から232.84円下落して今週の取引を終えた。破竹の12連騰の後、週間騰落は3週連続のマイナスで、連騰中の上昇分999円(終値ベース)の約4割が目減りしてしまった。(編集担当:寺尾淳)