【今週の展望】需給の改善は後でジワジワ効いてくる、か?

2015年06月21日 20:31

 6月最大のビッグイベントとも言えた16~17日のFOMCの結果は、なんとも歯切れの悪いものだった。9月の利上げを確定させるようなニュアンスは全くなく、「年内に必ず利上げするが、それがいつかはわからない。何回に分けるかもわからない」。つまり、9月に利上げする自信がなく、利上げをしてもし経済が腰折れしたら怖いということである。「かくすれば、かくなるものと知りながら」やむにやまれず強行するほど、イエレンFRB議長はタカ派ではない。

 それは今、足を引っ張るものが多いからでもある。ギリシャの「ヘラスの子ら」は相変わらず「千万人といえどもわれ往かん」的な堂々たる態度で、まるで債務者ではなく債権者のよう。中国も奥から何が出てくるかわからないチャイニーズ・ボックス。アメリカ経済の足元も視界良好に見えて、前週の鉱工業生産指数のような「地雷」がいきなり飛び出してはヒヤヒヤさせる。その点、今の日本経済は日本人が思っている以上に、世界では優等生の部類に入るのかもしれない。

 しかし、その日本の東京市場は、個人投資家がなかなか「草莽崛起(そうもうくっき)」せず、外部要因、外国人投資家の投資行動の影響を強く受ける構図から抜け出せない。

 前週は過去13回で11勝2敗とデータが良かった「SQ後週」だったが、週間騰落は232円安の黒星を喫した。もっとも、需給に悪影響を及ぼす裁定買い残は12日のメジャーSQまでに急減していた。5日の3.7兆円から12日は2.9兆円へ8378億円も減少し、2月13日以来の3兆円割れで〃毒気〃は薄れていた。18日に東証が発表した6月8~12日の投資部門別株式売買動向によると、外国人が6週間ぶりに1726億円の売り越し。ちなみに個人は2週連続で1989億円の買い越しで、信託銀行は3週連続で775億円の買い越し。前々週、外国人投資家を中心としたロールオーバーや裁定解消売りにより、日経平均の〃体調〃を不安定にする裁定買い残は急減していたのだが、前週の東京市場はそれと別の要因で体調を乱していたことになる。

「12連騰の日柄調整」と言うなら、3週連続マイナスは長すぎる。やはり、外国人投資家がギリシャ不安やアメリカの経済指標の悪さなど外部要因を理由に日経平均を先物売りし、債券などより安全な資産に資金を移すリスクオフを続けていたことに尽きるだろう。

 株価指数でも、先物やオプションが大阪取引所に上場されていないものの前週の週間騰落を見ると、東証2部株指数は+0.6%、東証マザーズ指数は+1.0%、日経ジャスダック平均は+0.5%で、日経平均、TOPIX、JPX日経400とは真逆で全てプラスになっていた。久々に再開した新規IPOは4件とも「初値>公開価格」の白星で、3件は上場初日に初値がつかない人気ぶり。初値がついた日にストップ高で高値引けになる銘柄まであり、まるで東証1部や日経平均採用225銘柄とは別の惑星で株が売買されているかのようだった。売買代金の約6割を占める外国人投資家が先物やオプションを駆使する指数プレイが、東京市場の現物指数にどれほど大きな影響力を持っているか、改めて見せつけられた週だった。

 しかしまさか、東京市場から外国人投資家を追い出す「攘夷」を決行するわけにはいかない。個人投資家は、彼らの投資行動を見極め、先回りして動くか、あるいは下手に手を出さず、彼らの〃カモ〃にならないように気をつけながら収益機会をとらえるしかない。それにはやはり「飛耳長目(ひじちょうもく)」ではないが情報の収集と分析が重要になる。需給のデータ、テクニカル指標のデータも、きちんと分析して活用したい。

 そこで日経平均の19日終値20174.24円のテクニカル・ポジションを確認すると、5日移動平均の20206円、25日移動平均の20318円はその上にあり、75日移動平均の19775円はその下にある。日経平均の2万円割れを起こした前週18日に5日線が25日線を下に抜け、「ミニ・デッドクロス」が出現した。「ミニ」なので「この先の下落の兆候だ」と気にかけるほどではないが、テクニカル的にみて上値が重くなるのは覚悟すべきだろう。

 日足一目均衡表の「雲」は19414~19650円。75日移動平均線が上に抜けて薄くなっている。上昇ペースも鈍ったが今週は25日に上限が19841円、下限が19448円まで上昇する。日経平均が2万円や75日線の付近でモタモタしていると、いつの間にか「振り向けば雲の上限」となりかねない。ボリンジャーバンドでは、25日線-1σの20124円と+1σの20513円の間のニュートラルなゾーンの下のほうに位置する。-2σの19929円は大台割れを起こせばそれほど遠くない。+2σは20708円にある。

 オシレーター指標を眺めると、「売られすぎ」シグナルがちらほら点灯中。25日移動平均線乖離率は-0.7%、騰落レシオは103.9だが、ストキャスティクス(9日・Fast)が25.3で、売られすぎの目安の30を割り込んでいる。RSI(相対力指数)は36.9だが、RCI(順位相関指数)が-62.2で売られすぎ判断ラインの-50を下回った。サイコロジカルラインは4勝8敗で33.3、ボリュームレシオは30.5となっている。概して言えば、自律反発は期待できるものの力強く戻せるとは考えにくい数値と言える。