【今週の展望】SQの後は材料に素直に反応する相場が来る?

2015年06月14日 20:32

 今週、6月第3週(6月15日~19日)は5日間の取引。今週は16~17日にFOMC、18~19日に日銀の金融政策決定会合が続けて開かれ、日米の中央銀行イベントの週。新規IPOが16日、約1ヵ月半ぶりに再開する。

 世界の株式市場の休場日は、16日は南アフリカが「青年の日」で休場。アフリカ統一機構の「アフリカ子どもの日」でもある。1976年、ヨハネスブルクのソウェト地区で黒人学生デモが暴動に発展したソウェト蜂起が起きた日。19日は台湾が「端午節(旧暦5月5日)」の振替休日で休場。「ちまき」を食べ、ドラゴンボートレースを観戦する日。沖縄でも前日18日にレースを行うところがある。

 国内の経済指標は、17日の訪日外国人客数が上半期ヒット商品番付東正横綱の「インバウンド消費」関連なので注目。非常に好調で、目標の「年間2000万人」を今年中にも達成しそうな勢い。18~19日には日銀の金融政策決定会合が開かれる。

 16日は5月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向、17日は5月の貿易統計、訪日外国人客数、日本製半導体製造装置BBレシオ、18日は5月の白物家電の国内出荷実績、19日は5月の電力需要実績、粗鋼生産量、4月の全産業活動指数、5月の全国百貨店売上高、4月の景気動向指数改定値が、それぞれ発表される。

 15日に6月の月例経済報告が発表される。17日にパナソニック<6752>とNTT<9432>が業務提携に関する記者会見を開く。18~19日に日銀の金融政策決定会合が開催され、19日の正午すぎに結果が発表される。黒田日銀総裁の記者会見は午後3時30分から。円高、株安のつむじ風を吹かせた前週10日の国会での発言についてどう釈明するか。

 主要企業の決算発表は、2月期決算の小売業の第1四半期決算が目立つ。15日は菊池製作所<3444>、ウインテスト<6721>、16日はツルハHD<3391>、アークランドサカモト<9842>、18日はサンワドー<7430>、19日は西松屋チェーン<7545>が発表する。月末にかけては、いよいよ3月期決算銘柄の株主総会のシーズン。今週はJPX<8697>と種類株発行問題を抱えるトヨタ<7203>が、それぞれ16日に総会を開く。

 5月と6月前半はお休みしていた新規IPOもいよいよ16日から再開。今週は4件ある。

 16日にスマートバリュー<9417>がジャスダックに新規上場する。大阪市が本社で自治体向けクラウドサービスの提供、移動体情報通信機器の販売を行っている。公開価格は1580円。なおKDDI<9433>の割引サービス「スマートバリュー」とは無関係。同じ16日にヘリオス<4593>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で眼科手術用染色剤の開発・販売、iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞の再生医療用途の研究・開発・製造を行っている。公開価格は1200円。iPS関連銘柄として注目されそうだ。

 17日にマーケットエンタープライズ<3135>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社でネットでブランド品、趣味の品などさまざまなリユース品の買い取り、販売、オークションの事業を行っている。公開価格は1500円。18日にデジタル・インフォメーション、テクノロジー(DIT)<3916>がジャスダックに新規上場する。東京が本社で業務系システム開発、組込み系システムの開発、検証、システム運用サービスなどを行っている。公開価格は1300円。6月の新規IPOは来週以降も6件ある。

 海外の経済指標は15日のアメリカの鉱工業生産指数にまず注目、このところ弱い数値が続いている。16~17日はFOMC。17日のドイツのZEW景況感指数はヨーロッパ経済の動向をつかむ上で重要。同じ日のアメリカの住宅着工件数も見逃せない。

 15日はユーロ圏の4月の貿易収支、アメリカの6月のNY連銀製造業景気指数、5月の鉱工業生産指数・設備稼働率、6月のNAHB住宅市場指数、4月の対米証券投資、16日はドイツの6月のZEW景況感指数、アメリカの5月の住宅着工件数、17日は英国の2~4月の失業率、18日はアメリカの1~3月期の経常収支、5月の消費者物価指数(CPI)、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、5月のCB景気先行指標総合指数、北米半導体製造装置BBレシオが、それぞれ発表される。

 16~17日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれる。今回は17日にイエレンFRB議長の記者会見があり景気見通しを発表する。16~18日にアメリカ・ロサンゼルスでゲーム見本市「E3」が開かれる。17日にイングランド銀行の金融政策委員会の議事録(6月3~4日開催分)が発表される。18日にスイス、インドネシアで政策金利が発表される。ルクセンブルクでユーロ圏財務相会合が開かれる。19日に続けてルクセンブルクでEU財務相理事会が開かれる。ギリシャの債務問題も少しは明るい展望が開けるだろうか。

 アメリカ主要企業の決算は17日にオラクル、19日にKBホームが発表する予定。

 前週の日経平均は9日の火曜日に360円安の大幅安を喫し、10日の水曜日には2万円割れ寸前まで下落して4日続落した。「やはりSQ週の火曜日、水曜日は鬼門なのか?」と思わせたが、データを確認すると実態は少し違っていた。