今週、5月第4週(5月18日~22日)は5日間の取引。決算発表シーズンもほぼ終了し、落ち着きを取り戻せるだろうか?
世界の株式市場の休場日は、18日はカナダが「ビクトリア・デー」で休場。1867年にカナダが自治権を獲得した時の英国王、ビクトリア女王の誕生日。ケベック州では「愛国記念日」。19日はトルコが「青年とスポーツの日」で休場。1919年に建国の英雄ケマル・アタチュルクが独立戦争を始めた日。
国内の経済指標は20日の1~3月期GDP速報値が最も重要。10~12月期は3期ぶりのプラスだったが、プラスを維持できるか。21~22日は日銀の金融政策決定会合がある。
18日は3月の機械受注、鉱工業生産指数確報値、設備稼働率、第三次産業活動指数、4月の首都圏・近畿圏マンション市場動向、19日は3月の毎月勤労統計調査確報値(2014年度も発表)、4月の全国百貨店売上高、20日は1~3月期の国内総生産(GDP)速報値、3月の景気動向指数(一致指数)改定値、4月の工作機械受注確報値、訪日外国人客数、全国スーパー売上高、全国コンビニ売上高、21日は4月の食品スーパー売上高、パソコン国内出荷実績、全産業活動指数、22日は4月の粗鋼生産量が、それぞれ発表される。
21日に全国銀行協会の佐藤会長が記者会見を行う。21~22日は日銀の金融政策決定会合が開かれる。22日の正午すぎに結果が発表され、午後3時30分から黒田総裁が記者会見を行う。
主要企業の決算発表は3月期の推奨期限15日を過ぎるので静かになるが、20日に損害保険の銘柄が発表する。20日は損保ジャパン日本興亜HD<8630>、MS&ADHD<8725>、東京海上HD<8766>、光通信<9435>が発表。なお、新規IPOは6月16日まで予定がない。
海外の経済指標は、19日のドイツのZEW景況感指数にまず注目。株高が続くドイツ経済の現状を確認できる。2年前の「5.23」を招いた中国のHSBCのPMIは、今年は21日。
18日は中国の4月の70都市新築住宅価格、アメリカの5月のNAHB住宅市場指数、19日は英国の4月の消費者物価指数(CPI)、ユーロ圏の3月の貿易収支、4月の消費者物価指数(CPI)、ドイツの5月のZEW景況感指数、アメリカの4月の住宅着工件数、建設許可件数。
21日は中国の5月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、フランス、ドイツ、ユーロ圏の5月の購買担当者景気指数(PMI)速報値、ユーロ圏の5月の消費者信頼感指数、英国の4月の小売売上高、アメリカの4月のシカゴ連銀全米活動指数、5月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、4月の中古住宅販売件数、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月のCB景気先行指標総合指数、北米半導体BBレシオ、22日はドイツの1~3月期国内総生産(GDP)確報値、5月のIFO景況感指数、アメリカの4月の消費者物価指数(CPI)、5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が、それぞれ発表される。
19日にインドネシア、20日にトルコ、21日に南アフリカで政策金利が発表される。19日にオーストラリア準備銀行の金融政策決定会合の議事録(5月5日開催分)が発表される。20日にアメリカのFOMC議事要旨(4月28、29日開催分)、英国のイングランド銀行の金融政策委員会(MPC)の議事録(5月8、11日開催分)が発表される。22日にFRBのイエレン議長が講演を行う。
アメリカ主要企業の決算は小売業が多くなる。18日はアーバン・アウトフィッターズ、19日はホーム・デポ、ウォルマート、TJX、20日はロウズ、ターゲット、セールスフォース・ドットコム、ウィリアムズ・ソノマ、21日はGAP、ヒューレット・パッカード、22日はディア、フット・ロッカーが発表する予定。
大型連休が明け、さらに週末を通過して東京市場が本格始動した前週は、ざわざわとした週だった。外部要因は中国の利下げで始まり、アメリカの雇用統計は良くても小売売上高は悪く、ギリシャ危機が再燃して欧米の金利が上昇したかと思えば翌日には沈静化。要人発言にも左右された。海外の投資家のマインドはコロコロ変わり、紋切り型の表現で言えば「方向性が定まらない」状況だった。国内も3月期の決算発表が第2のピークを迎え、14日に2223億円の最終赤字を発表したシャープ<6753>の「減資」の話題などが騒々しかったものの、上場企業の決算内容をトータルすれば前期も今期見通しも増益で、本来なら株価には好材料になるはず。日経平均は25日移動平均線近辺で上値を抑えられ、ザラ場中の乱高下で波乱のイメージもあったが、週間の星取は4勝1敗で前週末から353円も上昇している。
連休をはさんでいろいろあった決算発表シーズンも前週末の15日でほぼ終了した。今週は欧米のマクロ経済指標に前週ほど重要なものがなく、大きな海外イベントも特にない。国内は1~3月期のGDPの発表や日銀会合があるが、それでも比較的落ち着いた気分で臨める週になりそうだ。日経平均は15日終値で19700円台に乗せ、15日のCME先物清算値も19795円だったことで発射台は高くなっており、「2万円チャレンジ」には良い環境が準備されている。
東京市場の需給面を見ると、5月1日時点の信用倍率こそ4.07倍と高いが、4月は3.4~3.5兆円で高止まりしていた裁定買い残が4月24日時点の3.5兆円をピークに1日時点は3.3兆円、8日時点は3.2兆円と下落してきており、前週はさらに調整が進んだとみられる。やや改善した程度だが、悪い話ではない。5月第2週の投資主体別株式売買動向は外国人は売り越し、個人は買い越しだったが、取引が2日間しかなかったので参考にしないほうがいいだろう。