富士重、インプレッサ・スポーツに “走りを重視”したハイブリッド車を追加

2015年06月20日 18:58

Impreza HV

写真はベーシックなインプレッサ・スポーツ「Hybrid 2.0i」で、価格は250.56万円。自動ブレーキなどを含む運転支援システム「アイサイト」は標準装備する

 富士重工業、つまりスバルからクロスオーバーモデルであるXVハイブリッド(HV)に次ぐ、同社として第2弾となるHV、インプレッサ・スポーツ・ハイブリッドを発表した。すでに5月中旬過ぎからディーラーで予約受注が始まっていたが、正式発表となった中身について報告する。

 注目のハイブリッドシステムはXVに搭載するパワートレーンと同一だ。2リッター4気筒DOHCエンジンの出力&トルクは150ps/20kg.m。これに13.6ps/6.6kg.mのモーターを組み合わせてハイブリッド化。搭載するモーター、高電圧バッテリーなどの配置を、スバル独自のシンメトリカルAWDレイアウトの持つ、低い重心高、優れた重量配分を活かした設計とすることで、高い運動性能を実現した。

 ただ、インプレッサHVの発表にあたってハイブリッドシステム用バッテリーのエネルギーマネジメントを見直し、高速領域における回生エネルギーの活用を実現。制御変更により回生頻度を向上させ、積極的にバッテリーを使うことで、燃費向上を図っている。

 組み合わせるトランスミッションは、ハイブリッド用の駆動モーターを一体化した専用リニアトロニック(CVT)を採用。従来型に対し、フリクションを低減し、トルクコンバーターの流体特性を変更することで、燃費をXVの20.0km/リッターから20.4km/リッター(いずれもJC08モード燃費)に向上。同時にダイレクト感のある走りを実現した。

 エクステリアは、HV専用の意匠がちりばめられた。専用のワイド&ローを強調した質感高く力強いフロントマスクや、専用サイドシルスポイラーにより、抑揚のあるダイナミックなサイドビューを実現。リヤ周りでは、空力性能を向上させるルーフエンドスポイラーを採用。同時に、リヤコンビネーションランプは省電力LEDランプを採用し、ハイブリッドらしい機能性と先進性を感じさせるデザインとした。また、グリップ性能と燃費性能を高次元でバランスさせるために、ガソリン車タイヤサイズ(205/50R17)から変更し、一回り大径なタイヤサイズ(215/50R17)を採用した。

 ハイブリッド車は多くの場合燃費を上げるために省燃費型の細めのタイヤを採用する。が、スバルはインプレッサHVをある意味で“インプレッサの最上級スポーティグレード”として市場に提案する意味で、走りを重視したアグレッシブなタイヤ選択としたのだろう。

 自動ブレーキシステムを含んだスバル独自の運転支援システム、アイサイトver.2は全車標準装備。ハイブリッドシステムとアイサイトの協調制御により実現する「ECOクルーズコントロール」によって、全車速追従機能付クルーズコントロール作動時に、EV走行と回生ブレーキを最大限活用することで、実用燃費の向上に貢献する。

 インプレッサHVは2グレード構成で、価格はベーシックな「Hybrid 2.0i」が250.56万円、上級バージョンの「Hybrid 2.0i-S」が263.52万円。先行して発売する同社のXV HVの価格(257.4万円-286.2万円)に比べて、かなりお買い得感があるプライスラインとなった。なお同HVはエコカー減税の対象車で、取得税80%軽減、重量税75%軽減となる。(編集担当:吉田恒)