最近よく、コンビニエンスストア内に設置されたテーブルで、店内にて購入した飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりしている人を見かける。もちろんこれは、淹れたてコーヒーやドーナツなどの販売によりコンビニエンスストアが「カフェ化」の一途を辿っている影響であり、コンビニエンスストア側もそうした利用を見込んで、店内に飲食スペースを設けている店舗を増加させている。昔は、仕事のお昼休憩で一息つく場所は喫茶店が定番であったが、今ではコンビニエンスストアでコーヒーなどの商品を購入した後に、そのまま店内で一息つく人も多いのではないだろうか。
そうした「カフェ化」が進行するなか、コンビニエンスストア業界第1位のセブン-イレブン・ジャパンは19日、江崎グリコ<2206>と共同開発した「セブンカフェ アイスカフェラテ」を24日より九州地区の2000店舗で販売するとの発表を行った。全国の店舗での販売についてはまだ体制整備に時間が必要なため、2015年度は全国約1万7000店舗のうち、関東地区と九州地区の9000店舗のみで販売するとのこと。関東地区の販売は7月末を予定している。全国販売は来週春の予定。
今回販売が発表された「セブンカフェ アイスカフェラテ」は、駒かい氷状のミルクが入った専用容器に、お客がセルフサービスで熱いコーヒーを注いで完成となる。サイズはレギュラーのみで、価格は180円。セブン-イレブン・ジャパンは現在、全国の店舗にて約3万4000台の専用マシンを設置し、ホット・アイスコーヒーを販売している。同社は既既存商品と今回の新商品とを合わせて、淹れたてコーヒー全体で15年度に8億5000万杯の販売を見込んでいる。
コンビニエンスストアで販売されている淹れたてコーヒーについては、4月末にローソン<2651>が180円から150円に値下げし販売数を増加させるなど、競争が激化している。またファミリーマート<8028>も5月に新商品としてシャーベット状の「フラッペ」シリーズの販売を開始したところ、品薄状態になるといった好調な売れ行きをみせている。こうして各社熾烈な争いを繰り広げているコンビニエンスストアの「カフェ戦争」だが、今回の業界第1位のセブン?イレブン・ジャパンの新商品投入により、ますますその激しさは増しそうだ。(編集担当:滝川幸平)