ドコモとローソン、ポイントサービスで業務提携

2015年05月17日 16:24

 国内のコンビニエンスストアの店舗数がどんどん増加し、市場内は飽和状態にあるかに見えるコンビニエンス業界だが、各社はそうした状況の中で少しでも他社との差別化をはかるために様々な施策を行っている。そして業界第1位のセブンイレブンの背中に追いつくために、業界第3位のファミリーマート<8028>と業界第4位のサークルKサンクス<3337>を持つユニー<8270>が経営統合に向けた協議を開始するなど、生き残りをかけて業界内は今、大きく揺れ動いている。

 しかし「生き残りをかけた激しい争い」が続いているのは、コンビニエンス業界だけではない。携帯電話業界でも、同様の熾烈な争いが繰り広げられている。携帯電話業界の大手3キャリアと言えばソフトバンク<9984>、auのKDDI<9943>、そしてNTTドコモ<9437>だが、そのうちNTTドコモは先日出揃った大手3キャリアの2015年3月期の連結決算において、ソフトバンク、KDDIを下回り第3位に転落した。かつて「王者」と言われたNTTドコモがこうした状況になるとは、ひと昔前には想像もできなかったことではあるが、それだけ携帯電話業界内の争いが激しいことの証だろう。

 こうしてそれぞれの業界で競合他社としのぎを削り合っているNTTドコモとローソンだが、13日に2社はポイントサービスなどで業務提携するとの発表を行った。発表によれば、6月よりローソン店舗で買い物する際、NTTドコモのクレジットサービス「DCMX」「DCMX mini」で支払うと割引が適用されるほか、12月からNTTドコモのポイントが「dポイント」に切り替わり、ローソンを含む加盟店でポイントをためることができるようになる。またローソンで使用することのできる「Ponta(ポンタ)」と「dポイント」の相互交換も12月より可能となる。

 現在、NTTドコモは「ドコモポイント」として携帯電話の利用料金の金額に応じて利用者に独自のポイントを付与しているが、12月からはその名称が「dポイント」と変わり、カードも新たに無料発行する。大手キャリアではソフトバンクが「Tポイント」の運営会社に出資するほか、KDDIも電子マネーとしても使用することのできる「auウォレット」などを展開している。

 こうしたポイントサービスでは出遅れていた感のあるNTTドコモだが、今回の提携により巻き返しをはかり、業界第3位に転落した業績を持ち直したい考えだ。そしてローソンも今回の提携により、飽和状態にある業界の中で他社との差別化をはかりたい考えだ。(編集担当:滝川幸平)