民主党の枝野幸男幹事長は1日午後の記者会見で「衆院安保特別委員会の理事会で与党から8日に中央公聴会をとの提案があったが、野党が一致し、拒否した」と語った。枝野幹事長は「8日と言うのは到底あり得ない」と衆院通過を急ぐ与党の姿勢を問題視した。
枝野幹事長は「日に地方での参考人質疑を沖縄・埼玉で行うことが決まっていると承知しているが、これは形だけやるつもりなのか。2カ所で参考人の皆さんに意見を聞いてきたら、その報告を踏まえて質疑しないと、参考人として意見を述べてくれる人に大変失礼な話」と地方での参考人質疑の中身を形式で終わらせるようなことにならないようにしなければならないとした。
そのうえで、枝野幹事長は「公聴会を開いて、国民の皆さんの意見を聞くという段階では到底ない。何しろ根本のところが完全に揺らいでいる」とし6月29日の衆院安保特別委員会の質疑での政府答弁をあげた。
この日の委員会で、政府(中谷元防衛大臣ら)は日本近海で日本を防衛する米艦船を個別的自衛権で防護できる場合もあり得ると答弁。ホルムズ海峡での機雷除去が新3要件の第2要件の国民を守るために他に適当な手段がないことに該当するかどうかについては整合性のない答弁など、あやふやな答弁で、枝野幹事長は「こうした整理もついていないのに公聴会など論外だ」と中央公聴会など開く段階には遠いところにいる旨、語り、強くけん制した。(編集担当:森高龍二)